2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J03365
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
土屋 俊二 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | Bose-Einstein凝縮 / 光格子 / 超流動-絶縁体転移 |
Research Abstract |
近年、ボース凝縮体を光格子中に閉じ込めた系が注目を集めており、凝縮体が光格子中で様々な興味深い振る舞いを見せることがわかってきた。本年度は光格子中におけるボース凝縮体の励起スペクトルと、スピン1を持つボース粒子の光格子中における超流動-Mott絶縁体転移について研究を行った。 光格子中でのボース凝縮体の超流動性や安定性を議論する上で、励起スペクトルを調べることは重要である。本研究では、1次元の周期ポテンシャルの中における凝縮体の励起スペクトルとそのバンド構造について議論する。まず、光格子が低い場合を仮定し、格子ポテンシャルを摂動として扱いBogoliubov方程式を解いた。その結果、化学ポテンシャルと自己エネルギーの間にHugenholtz-Pinesの関係式が成り立ち、励起スペクトルは長波長で線形となることがわかった。これは凝縮体の光格子中での超流動性を示している。次に、一つのポテンシャル障壁に対する励起のトンネル問題の解からKronig-Penneyモデルについて励起スペクトルを計算した。二つの凝縮体を隔てるポテンシャル障壁に対するBogoliubov励起のトンネル問題は、解析的に解かれており、低エネルギーのBogoliubov励起がポテンシャル障壁を完全に透過するanomalous tunnelingが起きることが報告されている。計算の結果、準共鳴トンネルが周期ポテンシャル中の凝縮体の励起スペクトルがギャップを持たず線形であることを保証しており、周期ポテンシャルの高い極限まで励起のソフト化は起きないことがわかった。この結果から、Bogoliubov励起のanomalous tunnelingと、凝縮体の光格子中での超流動性が密接に関係しているといえる。 また、スピン1を持つボース粒子の超流動-絶縁体転移については、Bose-Hubbardモデルに対してGutzwiller変分波動関数を用いて基底状態の相図について調べた。その結果、スピン自由度がない場合に超流動-Mott絶縁体転移が2次転移になることとは対照的に、スピン1の場合には内部自由度の為に転移が1次になることがわかった。
|
Research Products
(3 results)