2002 Fiscal Year Annual Research Report
イモリプロラクチンとその受容体および分泌制御に関する研究
Project/Area Number |
02J03368
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
蓮沼 至 早稲田大学, 理工学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プロラクチン / プロラクチン受容体 / 雄性ホルモン / 求愛行動 |
Research Abstract |
雄イモリが、雌に対して示す求愛行動はプロラクチン(PRL)と雄性ホルモンにより引き起こされる。また、PRLは脳室内投与の場合、腹腔内投与より微量で行動を引き起こす。したがってPRLの作用部位は中枢にあると考えられる。そこで、^<35>S標識したイモリプロラクチン受容体(PRLR)アンチセンスRNAプローブを用いたin situ hybridizationを行い、イモリ脳内のPRLR mRNAの発現部位を調べた。その結果、脈絡叢にPRLR mRNAが強く発現していることがわかった。哺乳類や鳥類の研究でも、脈絡叢にはPRLRの強い発現が見られることがわかっており、現在のところ血中のPRLを脳脊髄液中に転送する役目があると考えられている。今回、イモリでも脈絡叢にPRLR発現が見られたことから、血中のPRLを脳脊髄液中に転送している可能性が示唆された。しかし、上記の手法では脈絡叢以外の部位で、明確な発現部位の特定はできなかった。そこで、PRLR cDNA配列から推定されるアミノ酸配列を解析し、細胞外領域内の9残基からなるペプチドを合成し、抗血清を作製した。この抗血清を用いた免疫組織化学的手法でイモリ脳内のPRLRタンパク質の発現部位の探索を行った。その結果、preoptic recess organとnucleus infundibularis dorsalisに抗血清に反応する神経細胞が見られた。これらの部位は生殖行動やPRLの分泌制御に関わる部位と考えられており、そのPRLRを持つ細胞が雄イモリの求愛行動の発現や、PRLの分泌に関わっている可能性が示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Fumio Toyoda: "Cemal action of prolactin in the induction of courtship behavior of the male newt, cynops pyrrhogaster"Proceedings of the Japan society for comparative Endocrinology. No.17. 23 (2002)
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[Publications] Itaru Hasunuma: "Molecular cloning of bullfreg prolactin receptor cDNA"Proceedings of the Japan society for comparative Endocrinology. No.17. 66 (2002)