2003 Fiscal Year Annual Research Report
イモリプロラクチンとその受容体および分泌制御に関する研究
Project/Area Number |
02J03368
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
蓮沼 至 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イモリ / プロラクチン / プロラクチン受容体 / 求愛行動 / 視床下部 / 脈絡叢 |
Research Abstract |
雄イモリが、雌に対して示す求愛行動はプロラクチン(PRL)と雄性ホルモンにより引き起こされる。PRLは脳室内投与の場合、腹腔内投与より微量で行動を引き起こす。したがってPRLの作用部位は中枢にあると考えられる。そこでイモリプロラクチン受容体(PRLR)の脳内の局在を免疫組織化学的手法で明らかにするために、まずイモリPRLRの細胞外領域の15残基からなるペプチド(SLLYKTEGKNTYSEC)を合成し、ウサギに免疫して抗血清を作製した。さらに抗原を認識するIgGを抗原ペプチドカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーにて精製した。この抗体がイモリPRLRを認識するかどうかを確認するためにイモリPRLRを発現させたCOS-7細胞のタンパク質を用いたウエスタンブロッティングを行なうと、約110kDaと80kDaの特異的なバンドを検出した。イモリPRLRの推定される分子量(67kDa)よりもサイズが大きいが、glycopeptidase Fで糖鎖を除去すると約67kDaのバンドが現れるため、糖鎖の付加により高分子側にバンドがシフトしていると考えられた。以上よりこの抗体はイモリPRLRを認識すると考えられた。さらにこの抗体用いた免疫組織化学的手法で、イモリ脳内のanterior preoptic area medial amygdala, magnocellular preoptic nucleus, suprachiasmatic nucleus, ventral hypothalamic nucleus, nucleus of perivehtricular organ, choroid plexusでPRLR様免疫陽性細胞が確認された。さらに^<35>S標識したイモリPRLR antisense RNA probeを用いたin situ hybridizationではanterior preoptic area, magnocellular preoptic nucleus, and choroid plexusでシグナルを検出できた。以上の結果からchoroid plexusのPRLRが血中PRLを脳脊髄液中に転送し、PRLが直接上記の神経細胞群に作用し求愛行動の発現を引き起こしていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)