2002 Fiscal Year Annual Research Report
バーチャル大学における効果的な学習-学習継続・成果をもたらす要因の検討-
Project/Area Number |
02J03519
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
小林 久美子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 高等教育 / バーチャル大学 / 学習継続 |
Research Abstract |
ここ数年のインターネットの普及に伴い、わが国にもバーチャル大学他、ITを用いた高等教育が普及しつつある。それらは場所や時間の制約がない自由な学習環境を提供する一方で、利用者のドロップアウト率が高いといった問題を抱えていることが指摘されている(メディア教育開発センター,2000)。そこで、本研究では、そうした高等教育における学習を継続し、成果をあげるための要因を探るため、以下の調査およびインタビューを実施し検討した。 1)高等教育の経験に関する調査 都内・地方の会社員・公務員を対象に、(1)これまでの高等教育の経験について、学習内容・学習期間・学習成果・学習に対する意識を、学習方法(スクールでの学習、通信教育、メディアを用いた学習など)ごとに尋ねた。また、(2)それらの学習継続や成果に関わる要因についての自由記述を求めた。分析の結果、(1)学習経験では、スクールでの学習と自己設計の学習が比較的多く行われており、スクールでの学習が長く継続していること、またメディアを用いた学習は経験も継続期間も少ないことが明らかにされた。(2)学習継続の要因に関しては、友人を作るなど学習のサポート、学習を生活に組み込むなど時間の確保などの要因が抽出された。 2)高等教育で成果をあげた者を対象にしたインタビュー 先の調査から、場所や時間の制約がない学習(通信教育など)を継続的に行い、成果をあげた者を抽出し、個別にインタビューを行って、学習継続・成果に関わる要因を検討した。その結果、学習内容(無理のない程度のものを選択する)、学習に関する意識(本を持ち歩くなどして、常に意識する)、学習支援(家族の協力)、継続への圧力(友人への告知によるプレッシャー)などの要因が関連することが示唆された。これらは、今後のITを用いた高等教育における学習システムや学習サポートの設計において、重要な示唆を与えるものとなると考えられる。 このほか、ITを用いた高等教育に関する先行研究のレビューを行った(本の一章として記述)。
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Research Products
(1 results)