2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J03544
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
清水 亮 東京都立大学, 人文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 御家人制 / 飢饉 / 災害 / 中世国家 / 武士団 / 幕府 / 悪党 |
Research Abstract |
今年度の研究計画のうち、(1)・(2)を遂行した。(3)・(4)は作成途中である。今年度の研究計画書に記したように、(1)は前年度発表の形をとり、(2)は論文「鎌倉前・中期の惣地頭・小地頭間相論と西国御家人制」(鎌倉遺文研究会編『鎌倉期社会と史料論』東京堂出版、2002年5月)として発表した。この論文では、惣地頭(九州に所領を得た東国出身の御家人)・小地頭(惣地頭の所領内に拠点を持つ九州在来御家人)の本来的な関係とその変化の様相、(2)惣地頭・小地頭間相論に関する幕府法の発布背景と発布の影響、(3)13世紀中葉の惣地頭・小地頭間相論の頻発と御家人制との関わりのあり方、という論点について新知見を提示した。 また、今年度、書評と紹介「高橋修著『中世武士団と地域社会』」(『日本歴史』653、2002年10月)を発表した。この書評は、鎌倉期の武士団に関する最新の研究成果に対する論評であり、この作業を通じて、私の研究課題の土台となる武士団・領主制といった研究分野に対する認識を深めるきっかけをつくることができた。 なお、今年度は、研究の手順を変更し、平成15年度研究計画(2)(鎌倉末期の悪党問題と幕府の関係に関する論文執筆)、平成15年度研究計画(4)・平成16年度研究計画(2)(鎌倉期の飢饉・災害関係史料の収集、飢饉・災害と御家人制及び中世国家運営との関係に関する論文執筆)に着手し、優先的に進めている。これらは、私の研究課題の中心をなし、課程博士論文作成にあたっても不可欠な問題である。そして予定より早く完成する目途が立ったため、作業の手順を変更した。前者は、今年度に研究報告する機会を得、現在執筆中である。後者も現在作業を進めており、来年度(今年4月)に研究報告を行う予定である。
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