2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J03544
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
清水 亮 東京都立大学, 人文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 御家人制 / 飢饉 / 災害 / 中世国家 / 武士団 / 幕府 / 悪党 / 都鄙間交通 |
Research Abstract |
今年度の研究計画のうち、(1)鎌倉期における武士団結合の展開と御家人制・都鄙間交通の関連に関する考察、についてはほぼ遂行した。(2)鎌倉期における飢饉・災害と幕府法・御家人制との関係についての考察、(3)室町幕府将軍位継承からみた南北朝期の中世国家に関する考察、については論文化にむけて進行させている状況である。 (1)については、畿内地域と関東地域の武士団を素材として検討を行った。このうち、関東地域に関わる検討結果は来年度に論文として発表する予定である。畿内地域に関する検討結果も、『歴史学研究月報』526号に概要を報告し、本格的な論文として投稿しうる状況にある。これらの検討を通じて、都鄙間交通・地域内交通に即応した武士団の活動・集団維持の様相や悪党問題との関連に言及していきたい。 (2)については、基礎的なデータをほぼ収集している。従来注目していた幕府法・御家人制のみならず、領主制に関わる先行研究との関連づけを行った後、論文執筆に着手する予定である。 (3)については、歴史学以外の研究成果を取り入れる必要に気づき、目下のところ国文学の研究・史料を収集している。この作業を終了させ、論文執筆に着手する予定である。 なお、今年度は、七海雅人氏『鎌倉幕府御家人制の展開』(吉川弘文館、2001年)の書評を執筆し、脱稿した。この作業を通じて、鎌倉幕府御家人制と武士団結合に関わる自身の問題意識を明確にすることができた。また、畿内地域の武士団結合に関わる検討過程で、南北朝期における武士団の領主一揆について、新知見を加えることができた。この成果は、『年報 三田中世史研究』10号に発表した。
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