2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J03553
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
千葉 正史 東京都立大学, 人文学部, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | 近代史 / 交通 / 情報通信 / 近代化 / 国家統合 / 中国 |
Research Abstract |
まず資料収集として、本研究の基礎資料である清末の奏摺(上奏文)について現在大陸と台湾に分かれて収蔵されている全体状況を把握すべく、調査を以下の様に進めた。 (1)台北故宮博物院における軍機処档案中の関連奏摺の所在調査ならびに目録作成 (2)『宮中档光緒朝奏摺』(台北故宮博物院刊行)所載の奏摺の調査ならびに目録作成 (3)『光緒朝〓批奏摺』(中国第一歴史档案館刊行)所載の奏摺の調査ならびに目録作成 これらの調査においては、いずれもexcelソフトによる同一形式のデータファイルに入力する方式で目録を作成し、今後一体でデータ化する基礎を構築した。また以前に北京の中国第一歴史档案館において調査を行った所蔵の関連奏摺について、手書きで作成した目録を同様のexcel形式のファイルに入力する作業をアルバイトを用いて行った。現在、(3)がなお完了しておらず、引続き作業を進めているほか、現地での所蔵調査についてもなお不十分な箇所があり、今後再び渡航調査を行う必要があるが、それらの終了後にはデータを統合・整理し、清末交通問題に関する奏摺の総合的データベースを作成する。 次に近代中国運輸通信ネットワーク基本情報図の作成については、本年度まずパソコンとスキャナーを購入したほか、ソフトとしてAdobe Photoshop7.0及びAdobe Illustrator10.0.3を購入し、図面を電子画像化する体制を整えた。今後は電子画像化した図面上に各種のデータを記入していくソフトとしてAutoCADを購入し、資料収集により得られたデータを基礎に作成作業を具体的に進めていく。 これらの作業をふまえて、今後本格的に成果を公表することを計画しているが、本年度の時点では裏面の様な研究を発表した。なお実証面では課題を残すが、交通近代化に伴い進展していった伝統的な中国国家統合の変容過程について大枠の見通しを示した。
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