2003 Fiscal Year Annual Research Report
病原細菌が産生する抗菌性ペプチドβ-defensin-2発現誘導物質について
Project/Area Number |
02J03744
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大串 賢一 長崎大学, 熱帯医学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | human β-defensin-2 / Salmonella enteritidis / Toll-like receptor / flagellin / ガングリオシド / co-receptor |
Research Abstract |
抗菌性ペプチドであるhuman β-defensin-2 (hBD-2)は、病原細菌の感染に伴いその発現が誘導される。これまでにSalmonella enteritidisの産生するhBD-2発現誘導物質がflagellin(FliC)てあることを明らかにした(J.Biol.Chem.,276,30521-30526(2001))。一方Toll-like receptor(TLR)ファミリーに属するTLR5がfragellinの受容体であることが報告されたが、asialoGM1が機能的な受容体であることも近年報告されている。そこで、FliCによるhBD-2発現誘導におけるガングリオシドの関与に関し検討を行った。 外因性のガングリオシドがFliCによるhBD-2発現誘導に与える影響について検討したところ、いくつかのガングリオシドが顕著な抑制効果を示した。特にGD1aはFliCのCaco-2細胞への結合を阻害し、トリプシンによるFliCの消化をも濃度依存的に妨げた。次に細胞表層のガングリオシドが活性に関与しているか否かについて検討したところ、Caco-2細胞のFliC感受性は、GD1aの細胞表層への取り込みに伴い増加し、ガングリオシド合成阻害剤で細胞を前処理することにより低下した。更にはガングリオシド欠損且つFliC非感受性細胞であるCHO-K1においては、TLR5を発現させることによりFliC感受性が獲得され、GD1aの取り込みに伴い更なる感受性の亢進が認められた。しかしながら、GD1aの取り込みのみでは、FliC感受性の獲得は認められなかった。以上の結果から、FliCがTLR5を受容体としhBD-2の発現を誘導する際にガングリオシドがco-receptorとして機能することを明らかにした(J.Biol.Chem.,279,12213-12219(2004))。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ogushi, K., et al.: "Gangliosides act as co-receptors for Salmonella enteritidis FliC and promote FliC induction of human (β-defensin-2 expression in Caco-2 cells"J.Biol.Chem.. 279. 12213-12219 (2004)