2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J03786
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
田邉 純代 福井県立大学, 生物資源学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イネ / マップベースクローニング / 〓性 / ブラシノステロイド / タグライン / 植物ホルモン |
Research Abstract |
1.dwarf11(d11)の研究 候補変異原因遺伝子を特定するため、5つのd11アレルおよびそれぞれの変異体に対応する3つの野生型のゲノムDNAを用いて、d11の候補領域である98kbの領域の塩基配列の解読を行い、変異部位を探索した。GeneScanの予測により1つの候補遺伝子において変異が認められ、これらの候補領域を用いて相補試験を行ったが、表現型の回復は見られなかった。このことはこの候補遺伝子が変異原因遺伝子でないことを示した。今後はd11の候補領域である98kbをカバーする複数の相補試験用TACベクターを構築し、98kb内におけるTACベクターコンティグを作成する予定である。d11変異体にこれらのTACベクターを用いて形質転換を行い、その表現型が回復する領域を特定し、変異原因遺伝子を特定する。6種の植物ホルモンに対する応答を調べるため、各ホルモンに対する分子マーカーを作成した。次年度は、この変異体におけるホルモン応答についても調べていきたい。 2.Tos3220(dwarf64)の研究 d64のアレルを探索するため、他のTos17ノックアウトラインを展開し、同様の表現型が出現するかどうかを調べたが、同様の表現型を示すラインが得られなかった。そこで、アンチセンス法またはRNAi法を用いて抑制個体の作出を行うため、Osd64cDNAよりN末端とC末端部分を用いたアンチセンスベクターを構築し、野生型イネである日本晴に形質転換し、tos3220ラインと同様の表現型を示すことを調べている。Tos3220変異体を用いて、植物ホルモンであるブラシノステロイドに対するラミナジョイント等の生理実験を行い、この変異体がブラシノステロイド非感受性変異体であることがわかった。今後は植物体におけるブラシノステロイド化合物の内在性量の測定を行う。また、各ホルモンに対する分子マーカーを用いての検証も行いたい。加えて次年度は完全長cDNAの単離を行う。
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