2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒメツリガネゴケにおける葉緑体運動の方向制御機構の解析
Project/Area Number |
02J03961
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
佐藤 良勝 基礎生物学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 葉緑体運動 / フォトトロピン / フィトクロム / アクチン / 微小管 / カルシウムイオン |
Research Abstract |
葉緑体運動に伴う細胞骨格の動態解析 細胞の一部に微光束を照射して葉緑体運動を誘導するとともに、ミラー切り換えにより蛍光顕微鏡として蛍光分子の局在を可視化できる顕微鏡システムを考案し開発した。このシステムを利用しヒメツリガネゴケの葉緑体運動に伴う細胞骨格の動態を解析した。その結果、微小管は葉緑体表面から重合し、アクチン繊維は光を照射した部分に新たに網目構造を形成することを明らかにした。 葉緑体運動に関わるキネシン遺伝子の解析 植物特有のドメイン構造をC末端にコードするキネシン遺伝子に注目し遺伝子破壊株を作成した。遺伝子破壊株は全ての葉緑体が核周囲に凝集してしまう興味深い表現型を示し、葉緑体が細胞周縁部に配置するのに必須なキネシンであることを明らかにした。 葉緑体運動を制御する光受容体の解析 ヒメツリガネゴケの葉緑体運動は青色光、赤色光の両方で誘導される。それぞれの反応は青色光受容体フォトトロピンと赤色遠赤色光受容体フィトクロムを介する独立に制御される反応として考えられてきた。しかし、ヒメツリガネゴケのフォトトロピン遺伝子破壊株が青色光反応だけでなく赤色光によるフィトクロム反応まで欠損していることを明らかにした。このことから、赤色光反応の際にはフォトトロピンシグナル伝達系はフィトクロムの下流に位置することが示唆された。
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Research Products
(2 results)