2002 Fiscal Year Annual Research Report
酵母自食作用関連因子の網羅的分離とそのネットワークの構築
Project/Area Number |
02J03968
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
関藤 孝之 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 自食作用 / スクリーニング / リン酸化 / PAS |
Research Abstract |
自食作用において細胞質を非選択的に取り込むオートファゴソーム形成過程に機能している因子を新たに単離することを目的として、gcn変異株の抑制因子単離を始めた。gcn変異株は野生型に対して約30%〜50%の自食作用活性を示す。この活性を上げる因子を同定できる感度の高い系の確立を目指している。すでに、コロニーの色でスクリーニングする系を改変してフィルター上でアッセイする系を作成し、この感度をさらに高める条件設定および、飢餓条件でのcDNAライブラリー作成の後、スクリーニングを行う。 さらに、酵母自食作用に必須であるApg9の解析を行った。現時点で明らかとなった点を挙げると、(1)Apg9は自食作用が誘導される飢餓条件下でリン酸化を受ける。(2)Apg9はApg9自身と複合体を形成する。(3)Apg9-GFPは他のApgタンパクと一致する液胞近傍のドット状構造(pre-autophagosomal structure : PAS)と一致しない細胞質中の無数のドット状構造に局在する。(1)については他のapg変異株の中にリン酸化が起こらないものがあることから、Apg9の作用段階が他のApg因子の下流にあり、自食作用がApg9のリン酸化を介して行われている可能性を示唆している。現在、リン酸化部位の同定を行っている。(2)についてはApg9同士の結合は栄養条件によって変化しない。この相互作用がApg9の機能に必要であるかを調べるためにいくつかの領域欠損型変異Apg9を作成している。(3)についてはApg9の局在が他のapg変異株で変化することを見いだし、このことと上述のリン酸化およびApg9同士の相互作用との関連を調べている。
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Research Products
(1 results)