2003 Fiscal Year Annual Research Report
地域経済の発展に果たす産業集積のシステムと機能に関する経済地理学的研究
Project/Area Number |
02J04100
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
立見 淳哉 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 産業集積 / 関係性資産 / コンヴァンシオン / 「生産の世界」論 / 児島アパレル産地 |
Research Abstract |
地域的な慣習や制度の役割に注目しながら,産業集積の発展メカニズムを明らかにすることを研究の目的としている.そのために,特定地域(岡山県児島アパレル産地)を対象として産業集積地域の実態解明を進めるとともに,方法論的な枠組みとして慣習や制度に関する理論的な研究を行う. 今年度は,主に理論的な枠組みの構築に力を注いだ.2003年5月から7月,そして2003年8月から2004年2月にかけてフランスのパリ第一大学に滞在し,フランスの「制度の経済学」の一派であるコンヴァンシオン経済学に関する理論研究を行った.これたよって,博士論文を執筆するために不可欠な,理論的な基礎固めを行うことができた.コンヴァンシオン経済学は,そのエッセンスが日本ではほとんど知られていないが,産業集積研究に豊穣な成果をもたらす大きな可能性を持っている. フランス滞在中も,同時並行的に,昨年からのテーマである児島アパレル産地の動態に関する論文の執筆作業を行った.(1)かねてから投稿していた論文を修正する作業に加え,(2)児島アパレル産地の産地構造に関する実証志向の強い論文を執筆した.1の論文は,地理学の代表的な学術雑誌の一つである「地理学評論」の2004年4月号に掲載予定である.そして2の論文は,2004年に近刊される一般書籍の1章分として掲載される予定である.今年度の研究業績は,結果として,主に児島アパレル産地の動態に関する実証的な研究となった.
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Research Products
(2 results)