2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J04207
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
戸野 恵太 埼玉大学, 理学部, 特別研究員-PD
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Keywords | 平面曲線 / 対数的小平次元 |
Research Abstract |
今年度の研究の目的は補集合の対数的小平次元が2の有理尖点平面曲線の具体例を構成することであった。具体的にはT.Fenske氏がある仮定の下で行った、曲線の点の重複度の最大値がd-4のd次有理尖点平面曲線の分類を完成させることであった。研究の結果T.Fenske氏が分類を行っていなかった、特異点の数が2以下の曲線の分類を行うことができた。この分類により対数的小平次元が2で特異点を2つ持つ有理尖点平面曲線を3曲線と曲線の系列を6系列構成することができた。しかしT.Fenske氏が分類する際に置いた仮定は私の研究でも外すことができなかった。従って当初計画していた仮定を外した完全な分類を行うことはできなかった。仮定というのは曲線の補集合の対数的小平次元が2の場合に対数的接層のオイラー数が0以下であるというものである。この量について曲線の補集合の対数的小平次元が2の場合に考察を重ねた結果この量が0以上4以下であることを証明できた。従って上記の仮定はこの量が0であるということと同値である。さらにこの量が0の場合曲線を直線に移すクレモナ変換が存在することがわかった。逆にこの量が正の場合クレモナ変換によって直線に移せない可能性がある。このことは三番目の研究目的と関係があり今後の研究につながる成果が得られたと考えている。以上の研究結果は2003年1月22日から24日に高知市高知会館において行われた研究集会「射影多様体の幾何とその周辺」で発表した。
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