2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J04207
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
戸野 恵太 埼玉大学, 理学部, 特別研究員-PD
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Keywords | 平面曲線 / 尖点 |
Research Abstract |
今年度の研究の目的は有理尖点平面曲線の特異点の数の評価を得ることであった。研究の結果、有埋尖点平面申線の特異点の数は高々8個であることが分かった。なおこの評価は8個の特異点を持つ有理尖点平面曲線の存在を保証するものではなく、有っても高々8個であるということを主張している。 これまでに知られていた評価はある仮定の下で特異点の数は高々9個であるというものである。この仮定を外すと有理尖点平面曲線の特異点の数が有界であるかどうかさえ不明であったが、今回得られた研究結果によって有界であることが判明した。ただ現時点で知られている有理尖点平面曲線の特異点の個数の最大値は4であり5個以上の特異点を持つ有理尖点平面曲線が存在するかどうかは分かっていない。こうした存在が分かっている曲線と今回得られた特異点の数の評価とのギャップを埋めることが今後の課題として残った。 なおこの研究結果を拡張させることで種数gの尖点平面曲線の特異点の数は高々(21g+17)/2個であることも分かった。非常に限られた種類の特異点だけを持つ平面曲線に対してはその特異点の数の評価が既に知られていたが尖点平面曲線全体を対象とした種数の関数による評価はこれまで無かった。 以上の研究結果は2004年1月26日から29日に早稲由大学において行われた研究集会「射影多様体/代数多様体の射影幾何3+代数曲線」で発表した。またこの結果をまとめた論文が雑誌「Mathematische Nachrichten」に掲載される予定である。
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Research Products
(1 results)