2003 Fiscal Year Annual Research Report
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02J04298
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| Research Institution | Kokugakuin University |
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Principal Investigator |
菊田 龍太郎 國學院大學, 日本文化研究所, 特別研究員(PD)
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| Keywords | 神社 / 神道 / 祭祀 / 神職層 / 史料調査 / 神社関係資料 / 歴朝要紀 / 神社構造 |
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| Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、基礎的な資料の調査、フィールドワークによる情報・資料の収集などを行いながら、調査・収集した資料の分類と個別具体的な基礎研究も行った。本年度の具体的な研究業績内容は、以下の通りである。
(1)神道・神社関係資料の調査・収集及び翻刻と個別具体的研究
神社関係資料の所在確認調査・収集のため、神社へ赴き現地調査を行った。また、神事祭礼など祭祀の現場にも赴きフィールドワークを行った。実地調査に赴いた神社・地域は、主なところをあげると、北海道・松前地域の神社(神職日記調査)、福島県会津若松地域・塔寺八幡、茨城県水戸藩神社関係資料、新潟県弥彦神社、長岡市周辺神社、山陰地方・出雲大社・美保神社・物部神社・国庁裏神社、三重県伊勢神宮・神宮文庫・皇學館大學神道研究所、千葉県香取神宮、国立歴史民俗博物館、長野県北部・中部地域神社、穂高神社、生島足島神社、仁科神明宮などである。これらの資料・現地調査の具体的な結果として、近世における神社研究・神道研究に注目して、特に水戸藩の社寺史料調査についての論考(「近世における社寺史料調査」)、地域社会における神祇信仰の実態についての論考(「地域社会における神々への信仰」)、香取神宮の祭祀・神職の構造についての論考(「中世における神主の一形態 香取神宮を事例として」)、地方神社における神仏習合の実態についての論考(「地方神社における神仏関係」)などをまとめた。また、昨年度に続いて、神道を含む祭祀関係について南北朝期から近世後期まで編年的に記した資料である『歴朝要紀』の調査を行い、このうちの善本を校注・翻刻して財団法人神道大系編纂会より、朝儀祭祀編として『歴朝要紀』(四)・(五)・(六)として刊行した。この作業は、来年度に刊行完了予定であり、『歴朝要紀』によって中世から近世かけての神祇関係祭祀の実態・変容が明らかになり、基礎資料として重要なものになると考えられる。この他、中世から近世への転換期における在地の神社や神職層の動向と幕府との関係の状況に注目して、神職層・神社構造の近世的展開について分析し、研究発表を行った(「近世前期における地方神職層の動向」)。
(2)神道・神社関係資料の分類・項目の仮設定と資料構造論・伝来過程論
上記の資料収集とフィールドワークに並行して、収集した資料の整理を進めている。従来の神道・神社資料の分類の体系の基礎を作った宮地直一博士の書庫の調査を行った結果、従来の分類項目の設定状況の把握を進めるとともに宮地博士の典籍類への書き込みや写真資料の分析も進めた。収集した神社関係資料の分類・項目設定にしたがって、特に宗教的な記載の多い塔寺八幡宮の「長帳」を具体的な調査対象として注目し、その内容から中近世の神社への信仰、特に在地の神仏習合の神社構造の実態の分析を行った(「地方神社における神仏関係」)。また弥彦神社関係資料の調査をした結果、仮項目・仮分類を行いながら史料の伝来過程や資料の状況・内容から、弥彦神社の社内構造と神職の活動について分析して研究発表を行った(「弥彦神社の構造と高橋光頼」)。
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[Publications] 菊田龍太郎: "地域社会における神々への信仰"財団法人神道大系編纂会神道古典研究所紀要. 10. 35-58 (2004)
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[Publications] 菊田龍太郎: "地方神社における神仏関係"神道宗教. 194. 43-79 (2004)
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[Publications] 菊田龍太郎: "近世における社寺史料調査"大社町研究紀要. 5. 65-82 (2004)
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[Publications] (共編著)菊田龍太郎: "歴朝要紀(四)"財団法人神道大系編纂会. 441 (2003)
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[Publications] (共編著)菊田龍太郎: "歴朝要紀(五)"財団法人神道大系編纂会. 457 (2003)
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[Publications] (共編著)菊田龍太郎: "歴朝要紀(六)"財団法人神道大系編纂会. 486 (2004)
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[Publications] (共著)菊田龍太郎: "日本史学年次別論文集 中世分冊 (担当「中世における神主の一形態 香取神宮を事例として」)"朋文出版学術文献刊行会. 285(38) (2004)
