2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J04392
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡辺 知恵 大阪大学, 微生物病研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | CD100 / CD72 / CD40 / B細胞受容体 / 樹状細胞 / 自己免疫 |
Research Abstract |
申請者らは、免疫応答に必須の副刺激分子であるCD40の下流で働くCD100は、B細胞上の受容体であるCD72を介してB細胞の活性化を増強することにより、免疫系に必須の役割を果たしている事を明らかにしてきた。また、CD100はCD72を脱リン酸化して、CD72の持つ抑制性シグナルを解除することにより、結果としてB細胞の反応性を促進する事を明らかにしてきた。本研究において、CD100欠損マウスを用いた解析から、1.T細胞と抗原提示細胞の相互作用においてT細胞上のCD100が、エフェクターT細胞分化に必須の役割を果たしている事。2.T細胞上のCD100が直接T細胞の活性化や分化に作用するのではなく、抗原提示細胞の活性化を介してT細胞活性化に関与している事。3.B細胞の場合と同様に、CD100は樹状細胞(抗原提示細胞)上に発現するCD72を介して樹状細胞の副刺激分子やMHC class II分子の発現上昇、IL-12の産生を誘導し、間接的にT細胞の活性化分化に寄与している事が明らかとなった。 また、CD72からの抑制シグナルが恒常的に伝達されているCD100欠損マウスのB細胞では、B細胞受容体(BCR)を介するシグナル伝達分子であるLynおよびSykのキナーゼ活性、その他種々のシグナル伝達分子のチロシンリン酸化およびB細胞内Ca^<2+>の動員の減少が障害されていたが、一方で、Fc?RIIBを介した抑制シグナルも著しく障害されていた。このBCRシグナルの異常の結果として、CD100欠損マウスは免疫不全を呈するにも関わらず、加齢に伴いB細胞の異常増殖や自己抗体の産生が認められるようになり自己免疫様の症状を呈するようになる事が明らかとなった
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kumanogoh, A., C.Watanabe, H.Kikutani, et al.: "Sema4A, a class IV semaphoring that enhances T cell activation, interacts with Tim-2"Nature. 419. 629-633 (2002)
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[Publications] Kumanogoh, A., C.Watanabe, H.Kikutani, et al.: "Requirement for the lymphocyte semaphoring, CD100, in the induction of antigen-specific T cells and the maturation of dendritic cells"J.Immunol.. 169. 1175-1181 (2002)