2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J04478
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 雅子 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 電波銀河 / 衝撃波加速 / 宇宙背景輻射 / スニャエフ・ゼルドヴィチ効果 / 無衝突衝撃波 / 活動銀河 |
Research Abstract |
本年度は、宇宙線生成の舞台となる電波銀河の基礎過程をエネルギー面を中心に考察した。具体的には、新たな観測的研究手段としてのSunyaev-Zel'dovich効果の能力を詳細に調査した。電波銀河の持つエネルギーは放射光のみでは明らかに出来ない成分の有無が総量を大きく左右すること、さらに活動銀河の長年の問題であるエネルギー源であるジェットの構成成分(電子-陽電子プラズマか電子-陽子プラズマか)の研究にも間接的に関ってくることから、新たな観測手段の原理を明確に出来たことの意義は大きい。具体的には、従来用いられてきたKompaneetz近似を外し、運動学的見地からSunyaev-Zel'dovich効果を再計算した。相対論効果と磁場を考慮し、必然的に伴うシンクロトロン光の影響をまとめあげた。この結果は、現在投稿準備中であり、解析の終了した平成13年度に野辺山宇宙電波観測所で行った観測結果と同時に公表する予定である。(観測結果はすでに学会・研究会などで公表済みであり、興味深く受け止めらている。) 電波銀河のモデルを扱うに当たり、従来の流体力学に基づいた理論では不十分であることが明らかになってきている。来年度は、プラズマ物理を考慮に入れた衝撃波部分の過程を追究する必要がある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 山田 雅子: "The thermal properties of the intracluster medium : the role of radio galaxies"Astronomische Nachrichten. 324巻2号. 141-141 (2003)
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[Publications] 山田 雅子: "The Role of Shock Heating in the Evolution of Massive Primordial Clouds"Progress of Theoretical Physics Supplement. 147巻. 43-84 (2002)