2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J04478
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 雅子 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 電波銀河 / 衝撃波加速 / 無衝突衝撃波 / 磁化プラズマ / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
前年度までに行った活動銀河の電波ローブ前面衝撃波における基礎的物理過程の理論的考察を掘り下げ、数値シミュレーションの手法を用いた検証及び非線形過程の解明に取り組んだ。主にX線天文観測衛星Chandraのデータと従来得られていた電波観測の結果の比較検討により、電波ローブで見られる衝撃波は、これまでのモデルの基礎におかれていたような流体粘性衝撃波とは説明しきれず、定性的には太陽風に近い状態にあること(少なくとも電子陽子それぞれのマッハ数の差から衝撃波中での振舞いに差を生じていること)が推察された。この事実はまた、衝撃波面での現実的な粒子加速すなわち宇宙線加速の過程を解明する上で流体近似的取り扱いをせず、粒子の運動学的考察に立ち戻る必要性のあることを意味する。 そこでプラズマ物理を応用し、今までは別個の問題として取り扱ってきた衝撃波中の粒子加速と衝撃波形成の過程の並行考察の取り組みを始めた。衝撃波の形成まで念頭に置く場合、この過程が根本的に非線形問題であることが問題となる。そのため、数値的手法を採用しシミュレーションを行うことが必要となる。今年度は磁気プラズマシミュレーションを用いた衝撃波の形成過程の研究に的を絞った。前年度から引き続きシミュレーション手法の取得から取り組んだが、運動学に基づいた衝撃波形成過程の解明はそれ自体が一つのジャンルを形成する難問である。今年度は磁気プラズマシミュレーションを用いた定性的な考察について計算結果を完成させるには至らなかったが、磁気流体シミュレーションの結果との定性的な比較考察を同時に行うことにより、活動銀河の衝撃波についての知見を得ることができた。
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