2002 Fiscal Year Annual Research Report
生体内におけるToll-like receptorの役割の解析
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02J04856
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
邊見 弘明 大阪大学, 大学院・医学系研究科・特別研究員「DC2」
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Keywords | CpG DNA / Toll-like receptor 9 / MyD88 / 樹状細胞サブセット / IFN-α / IL-12 |
Research Abstract |
本年度は、樹状細胞におけるTLR9の役割をさらに明らかにする目的で、近年ヒト免疫細胞を用いた実験により明らかになってきている生物活性の異なる2種類のCpG DNA(D-typeおよびK-type CpG DNA)を用いてマウス樹状細胞からのサイトカイン産生の違いを検討した。マウス樹状細胞をB220の発現を指標に2つに分け、それぞれをこれら2つのタイプのCpG DNAで刺激をしてサイトカイン産生を検討したところ、B220陰性樹状細胞は、D-type、K-type CpG DNAともにIL-12の産生が認められ、IFN-αの産生は認められなかった。それに対し、B220陽性樹状細胞からは、D-type DNAで刺激をするとIFN-αが優位に産生され、K-type CpG DNAではIFN-αの産生が低くIL-12の産生が優位に誘導された。これらの反応は、マウス脾臓の樹状細胞の今ならず、骨髄よりFlt3リガンドで誘導した樹状細胞においても認められた。さらに、これらサイトカイン産生はTLR9、MyD88欠損マウスで決し欠失しており、K-type、D-typeともにTLR9-MyD88依存的なシグナル伝達経路が必須であることが明らかとなった。また、CpG DNAの認識に関与していると言われているDNA-PKcsの関与を検討するためにDNA-PKcs欠損マウス由来の細胞を用いてサイトカイン産生を検討したところ、DNA-PKcs欠損マウス由来の細胞はこれら2種類のCpG DNAに対し正常マウス由来樹状細胞と同様に反応し、DNA-PKcsはCpG DNAによる免疫応答に必須ではないことが判明した。これらのことより、B220陽性樹状細胞はTLR9依存的に異なるtypeのCpG DNAに反応して異なるサイトカインを産生することが明らかとなった。これらの成果は、国際雑誌に投稿し掲載された(Hemmi et al. Journal of Immunology 170:3059,2003)。
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[Publications] Hiroaki Hemmi et al.: "The Roles of Toll-Like Receptor 9, MyD88, and DNA-Dependent Protein Kinase Catalytic Subunit in the Effects of Two Distinct CpG DNAs on Dendritic Cell Subsets"The Journal of Immunology. 170. 3059-3064 (2003)
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[Publications] Masahiro Yamamoto et al.: "Essential role for TIRAP in activation of the signalling cascade shared by TLR2 and TLR4"nature. 420. 324-329 (2002)