2003 Fiscal Year Annual Research Report
高指数面基板上高密度短周期超格子量子ドット構造の赤外域レーザへの応用に関する研究
Project/Area Number |
02J04865
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 淳 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 半導体量子ドット / InP(411)面 / 短周期超格子成長 / GaAs / InAs / ガスソースMBE / 赤外発光 / 量子ドットレーザ / STM |
Research Abstract |
InP(411)A基板上GaAs/InAs短周期超格子成長自己形成量子ドット構造に対して、1.3、1.5μm帯両方でのレーザ発振を目指して研究を進めた。これまでに、InAs層の厚さを変えることで、超格子ミニバンドの高さを変えることができ、超格子の数(成長方向のドット層の厚さに対応する)を変えることにより、成長方向での量子閉じ込めを変えることができる。全て室温で強い発光が得られ、1.3μmから1.6μmへと波長を制御して長波長化することができている。また、レーザ発振の前準備として、超格子の数が3、6で、GaAs層の厚さ、InAs層の厚さを2MLとし、InP10nmの障壁層で挟んだ多重量子ドット構造を活性層とし、p型、n型InP 1μmでクラッドしたダイオード構造を作製した。室温でEL (Electroluminescence)発光が得られ、EL発光波長も、超格子の数3のものは、1.3、6のものは、1.5μmと、両方で強い発光が得られている。 今まで、GaAs(311)A基板上GaP/InP短周期超格子成長自己形成量子ドット構造と同じような、密度10^<11>/cm^2、周期20nm程度の量子ドットがInP(411)A上のものに対しても形成されているという仮定のもとで、研究を行ってきた。しかし論文にて発表したSTM像(Jpn.J.Appl.Phys. 40 (6B) (2001) L586-L588)は、ドットの確認に対して誠に不十分なものであった。研究の最終年度である今年度は、STMによる量子ドットの自己形成の確認に心血を注いだ。その結果、密度10^<11>/cm^2、周期10から15nmの量子ドットが形成されていることを確認できた。また、表面で測定できるポテンシャルの大きさが、ドットの中心では小さく、それ以外では大きいことが観察された。これは、10から15nmというInP(411)A基板上GaAs/InAs短周期超格子成長自己形成量子ドットに、電子が閉じ込められているということを示している。 発光デバイスとしての特性は、2004年5月に鹿児島で開催されるInternational Conference on Indium Phosphide and Related Materialsで口頭発表の予定である。また、本研究の内容は、現在投稿中の論文にて発表予定である。
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