2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J04921
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小泉 恭子 (岩尾 恭子) 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 遺伝子発現 / 乳癌 / 抗ガン剤感受性 / ドセタキセル |
Research Abstract |
本研究では、前年度に乳癌において抗ガン剤ドセタキセル化学療法感受性に関与する遺伝子群の同定を目的として、抗ガン剤投与前の乳癌44例(抗ガン剤有効群22例、抵抗群22例)に関して、ATAC-RCR法を用いて遺伝子発現の網羅的解析を行った。またその情報をもとに統計的な手法を用いて化学療法感受性に関与する85遺伝子を同定した。 今年度はそれにひきつづき、新たな症例26例を対象に同85遺伝子群を用いて確認実験を行ったところ、抗ガン剤効果予測率は80%以上であり、臨床応用の可能性が示唆された。 また、その85遺伝子中にはthioredoxinなど酸化ストレスに関与すると思われるredox関連遺伝子が高頻度に含まれており、それら遺伝子が抗ガン剤ドセタキセル感受性に関与すると思われたため、細胞導入によるin vitroでの確認実験を行った。まず、乳ガンcell lineであるMCF-7にthioredoxinなどの遺伝子を導入し、その後ドセタキセルを投与して24時間暴露させ、TUNEL法によるアポトーシス検出を観察することによる抗ガン剤抵抗性を確認した。その結果、遺伝子導入細胞においてはコントロールに比しドセタキセル抵抗性が観察され、これら遺伝子が抗ガン剤ドセタキセル感受性に関与していることが示唆された。 これら結果は現在Journal of Clinical Oncologyに投稿中である。
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