2002 Fiscal Year Annual Research Report
in vivo 異所発現スクリーニングによる神経細胞死実行機構の解析
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02J05061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅田 浩司 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ショウジョウバエ / TNF / Eiger / TNF receptor / Wengen |
Research Abstract |
研究代表者はショウジョウバエを用いてgene search(GS)システムにより神経細胞死実行因子のスクリーニングを行った。本システムは転写因子GAL4の標的配列であるUAS配列をP-element内部に有するベクターをゲノム中にランダムに挿入した系統(GS系統)を用い、GAL4依存的に任意の遺伝子を強制発現させるシステムである。本研究では複眼特異的なGMRプロモーターでGAL4をドライブし、複眼の表現型を指標にスクリーニングを行った。約5000のGS系統について解析を行い、複眼が縮小する6系統を得た。そのうち一系統の責任遺伝子はショウジョウバエTNF superfamily分子をコードすることが分かり、この分子をEigerと命名した。eigerはショウジョウバエの発生過程で神経系に発現しており、eigerにより誘導される神経細胞死ではJNK経路の活性化を伴った。現在、Eigerの下流シグナル分子を明らかにする目的で染色体欠失系統を用いたスクリーニングを行っている。Eigerを複眼特異的に過剰発現する系統と一連の染色体欠失系統とを交配し、Eigerによる複眼の縮小を抑制する系統をスクリーニングし、現在までに20の抑制系統を得た。解析の結果、一系統の欠失領域内にショウジョウバエTNF receptor superfamily分子をコードする遺伝子が含まれることが明らかとなり、この分子をWengenと命名した。Eigerによる複眼の縮小はWengenのRNAiにより抑制されること及びin vitroにおいてEigerとWengenはTNF及びTNF receptorのhomology domainを介して結合することから、WengenはEigerのレセプター機能分子であると考えられる。今後はWengenの生理機能の解析を進めると共にスクリーニングにより得られた分子についても機能解析を進めていく。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Igaki, T: "Eiger, a TNF superfamily ligand that triggers the Drosophila JNK pathway"The EMBO Journal. Vol.21 No.12. 3009-3018 (2002)
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[Publications] Kanda, H: "Wengen, a Member of the Drosophila Tumor Necrosis Factor Receptor Superfamily, Is Required for Eiger Signaling"THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY. Vol.277 No.32. 28372-28375 (2002)