2004 Fiscal Year Annual Research Report
in vivo異所発現スクリーニングによる神経細胞死実行機構の解析
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02J05061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅田 浩司 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ショウジョウバエ / TNF / Eiger / JNK / 細胞死 |
Research Abstract |
昨年度までの研究結果から、ショウジョウバエTNFが誘導する細胞死においては、その下流でTNFレセプターであるWengenによってシグナルが細胞内に伝えられ、さらにjunN-terminal kinase (JNK)経路の活性化を介して最終的に細胞死が誘導されることを遺伝学的に証明してきた。 今年度は、さらにEigerによって誘導される細胞死を抑制する変異体系統について詳細な解析を行った結果、ミトコンドリアのエネルギー産生に関連する遺伝子の発現を抑制することでこの細胞死が顕著に抑制できることが明らかとなった。これまで細胞死におけるミトコンドリアの関与については、ストレス刺激時にチトクロムcが細胞質に放出され、アポトソームと呼ばれる複合体を形成することでカスパーゼを活性化し細胞死を誘導すると言うメカニズムが広く知られていたが、本研究から、チトクロムcの放出以外にもミトコンドリアのエネルギー代謝そのものが細胞死の制御に関わっていることが強く示唆される。細胞にエネルギー代謝の基質の1つであるピルビン酸を添加すると過剰なエネルギー産生を伴って細胞死が誘導されるとの報告もあることから、本研究結果は細胞死におけるミトコンドリアの新たな機能を示す始めての生体レベルでの解析である。 研究については論文としてまとめられる形になっているため、現在国際雑誌に論文を投稿中である。
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Research Products
(1 results)