2003 Fiscal Year Annual Research Report
In vivo異所発現スクリーニングによる神経細胞死実行機構の解析
Project/Area Number |
02J05061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅田 浩司 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Eiger / TNF / ショウジョウバエ / in vivo / スクリーニング / 遺伝学的解析 |
Research Abstract |
in vivo異所発現スクリーニングによる神経細胞死実行機構の解析を行う目的で、ショウジョウバエTNF superfamily ligandであるEigerの下流分子の網羅的探索を行った。ショウジョウバエ複眼特異的にEigerを過剰発現させると、過剰な細胞死を伴った複眼サイズの縮小が観察される。このトランスジェニックショウジョウバエと、一連の染色体欠失系統とを交配し、F1世代でEigerによる複眼サイズの縮小を抑制する系統をスクリーニングした(1次スクリーニング)。1次スクリーニングで得られた染色体欠失領域内に、Eigerの下流分子をコードする遺伝子が含まれていると考えられる。その原因遺伝子領域を狭めるために、1次スクリーニングで得られた領域と欠失領域が部分的に重複している複数の欠失系統を用いて2次スクリーニングを行った。2次スクリーニングで得られた染色体領域内に存在する遺伝子の単一変異体系統とEigerとの遺伝学的相互作用を調べることで最終的に複数の下流分子候補を得た。 現在までに複数の分子に関して解析を行っており、それらの1つに関しては、さらに詳細な機能解析及び生理機能の解析を行う目的で、遺伝学的な解析と併行して現在機能欠失型変異体ショウジョウバエの作製を試みている。この分子はショウジョウバエのすべての発生過程、及び成体で発現が認められており、また申請者によって、Eigerと直接結合することが確認されている分子であるため、Eigerのシグナル伝達機構を理解する上で重要な役割を担っていると考えられる。 また、他の下流候補分子として、ミトコンドリアを介するエネルギー代謝に関わる複数の分子を得ており、Eigerシグナルとの関係、及び生体内での機能について遺伝学的及び生化学的解析を進めている。
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