2002 Fiscal Year Annual Research Report
ポリトピック型膜タンパク質トポロジー形成原理の解明
Project/Area Number |
02J05068
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田村 憲久 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | topogenesis / topology / polytopic membrane protein / insertion |
Research Abstract |
ポリトピック型膜タンパク質がどのようにトポロジーを形成するのかを12回膜貫通型のテトラサイクリン排出タンパク質TetA(B)を用いて検討した。膜貫通領域TM1,3,4,5,6それぞれを欠失させた変異体にCysを一つずつ導入し、膜不透過性SH基修飾試薬と膜透過性SH基修飾試薬との結合をみることにより、各欠失変異体のトポロジー変化を詳細に決定した。 すべての欠失変異体はテトラサイクリン輸送活性はなかった。TM3欠失変異体はTM4が膜に挿入されなくなり、TM4欠失変異体はTM3が挿入されなくなった。少なくとも膜への挿入単位はTM3,4とペアになっていることが示唆された。つぎにTM5欠失変異体ではTM4が膜に挿入されず、TM6欠失変異体でもTM4が膜に挿入されずにTM5が逆向きに挿入されることが明らかになった。TM3,4,5,6は膜への挿入の最小単位になっており、そのなかでTMを欠失させた場合には膜に入りにくいTM4が膜からでてTM3,4,5,6の中でのみトポロジー変化が起こると考えられる。 またTM1欠失変異体はN末端がperiplasm側に位置するようになったのみで、TM2以降は正常に膜に挿人された。TM1には膜へのターゲッティングシグナルが存在していると考えていたが、そうではなくTM2にあるのではないかと推定される。 これまで構築した欠失変異体ではTM7以降のトポロジーに全く影響を与えなかった。TetA(B)はN末端側半分とC末端側半分で相同性があるため、C末端側半分も今回の結果と同様の規則で膜に挿入されている可能性がある。
|