2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポリトピック型膜タンパク質トポロジー形成原理の解明
Project/Area Number |
02J05068
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田村 憲久 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | topogenesis / topology / resistance / tetracycline |
Research Abstract |
ポリトピック型膜タンパク質がどのようにトポロジーを形成するのかを12回膜貫通型のテトラサイクリン排出タンパク質TetA(B)を用いて検討した。膜貫通領域を欠失させた変異体のループ部位にCysを一つずつ導入し、膜不透過性SH基修飾試薬と膜透過性SH基修飾試薬との結合をみることにより、各欠失変異体のトポロジー変化を詳細に決定した。これまでの解析によりTM3,4,5,6が1つの単位として膜に挿入されていることが示唆されており、TM5,6がN末端側の組み込みに必須であることを確かめるために、TM5,6を欠失させた変異体を作成し、詳細なtopologyを決定した。TM5,6を欠失させるとTM1,2,3,4のtopologyは1つには決まらず、欠失変異体は複数のtopologyを取っていると推定された。TM5,6を欠失させても、TM3,4が膜に正常に組み込まれるということはなく、TM3,4,5,6が1つの単位となって膜に組み込まれていると示唆された。また、N末端側のヘリックスが複数のtopologyを取っていても、C末端側のヘリックスのtopologyに影響を与えることはなく、N末端側とC末端側のヘリックスはそれぞれ独立にtopologyが決定されていると考えられる。この結果は、homologueのラクトース輸送体、グリセロール3リン酸輸送体の結晶構造ともよく合っていた。 つぎに、トポロジーの決定に関与するシャペロン様因子の探索を行った。トランスポゾンを用いたランダムノックアウトにより、テトラサイクリン排出タンパクTetA(B)が正常に膜に組み込まれなくなる変異体を、テトラサイクリン耐性を指標にスクリーニングを行ったが、新しいシャペロン様因子の同定はできなかった。
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