2003 Fiscal Year Annual Research Report
輸送因子Mex67p1Mtr2p複合体を用いたmRNA輸送機構の解明
Project/Area Number |
02J05128
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
才脇 卓也 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞核 / 核-細胞質間輸送 / メッセンジャーRNA |
Research Abstract |
転写されたmRNAは細胞内受容体と複合体を形成することにより核から細胞質に輸送されるが、この輸送過程には従来から知られている細胞内受容体importin-beta様蛋白質や低分子量GTPase Ranが直接関与しないことからimportin-beta-Ranシステムとは異なる因子群が独自の機構で作用していることが考えられている。 Mex67p/Mtr2p複合体は、合成致死スクリーニング法を用い、mRNA輸送に関与するヌクレオポリンNup85pとの相互作用に基づいて同定された酵母の蛋白質複合体であり、Mex67p/Mtr2p複合体はヌクレオポリンに結合すること、積荷であるmRNAと相互作用することやそれぞれの温度感受性変異株においてmRNA輸送障害が認められていることから、Mex67p/Mtr2p複合体はmRNA輸送における非importin-beta型の細胞内受容体であると考えられ、これらの因子の機能の理解から高等真核細胞におけるmRNA輸送メカニズムの解明を行うことが本研究の目的である。 現在までにMex67p/Mtr2p複合体と各ヌクレオポリン間の相互作用を表面プラズモン共鳴を応用した機器BIACOREによる解析から種々のヌクレオポリン-Mex67p/Mtr2p複合体の結合定数に顕著な差は認められないことを見出し、本年度はMex67p/Mtr2p複合体の核膜孔通過における方向性に影響を及ぼす別の因子の同定をこころみる。 本年度はMex67p/Mtr2p複合体の哺乳類ホモログであるTap/p15複合体とヌクレオポリンとの結合様式を知るためTap/p15複合体をBIACOREセンサーチップ上で計測を行った。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Katahira J, Strasser K, Saiwaki T, Yoneda Y, Hurt E.: "Complex formation between Tap and p15 affects binding to FG-repeat nucleoporins and nucleocytoplasmic shuttling"Journal of Biological Chemistry. 277(11). 9242 (2002)