2004 Fiscal Year Annual Research Report
輸送因子Mex67p/Mtr2p複合体を用いたmRNA輸送機構の解明
Project/Area Number |
02J05128
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
才脇 卓也 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 核-細胞質間輸送 |
Research Abstract |
1)転写されたmRNAは細胞内受容体と複合体を形成することにより核から細胞質に輸送されるが、従来から知られている細胞内受容体importin-b様蛋白質や低分子量GTPase Ranが直接関与しないことからimportin-b-Ranシステムとは異なる因子郡が独自の機構で作用していることが考えられている。Mex67p/Mtr2p複合体はヌクレオポリンに結合すること、積荷であるmRNAと相互作用することやそれぞれの温度感受性変異株においてmRNA輸送障害が認められていることから、Mex67p/Mtr2p複合体はmRNA輸送における非importin-b型の細胞内受容体であると考えられる。 (1)Mex67p/Mtr2p複合体と各ヌクレオポリン間の相互作用は、表面プラズモン共鳴を応用した機器BIACOREによる解析から種々のヌクレオポリン-Mex67p/Mtr2p複合体の結合定数に顕著な差は認められなかったためMex67p/Mtr2p複合体の核膜孔通過における方向性に影響を及ぼす別の因子の存在が示唆された。 (2)一方哺乳類ホモログであるTAP/p15のヘテロダイマーを形成しており、TAP単独あるいはp15とのヘテロダイマーを形成させたときのヌクレオポリンとの結合をBIACOREを用いて解析したところ、TAP単独ではヌクレオポリンと結合するものの離れることができず、p15と複合体を形成することで結合乖離を素早く行うことが明らかになった。(Katahira et al.,2002) 2)核-細胞質間輸送においてimportin alphaは核蛋白質に直接結合し、importin betaとのアダプター因子としての機能を持つといわれている。しかし、それ自体単独で核-細胞質間を自由に行き来できる活性を持つこと生細胞イメージング技術を用いて明らかにした。(Miyamoto et al.,2002)
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Research Products
(4 results)