2003 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸塩岩の堆積構造解析によるスノーボール・アース仮説の検証
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02J05273
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
東條 文治 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | スノーボール・アース仮説 / 原生代後期 / キャップカーボネート / エディアカラ生物群 / 氷河堆積物 / 縞状鉄鉱層 / 非対称性 / 垂直構造 |
Research Abstract |
本年度の研究は主に,ロシアでの原生代後期のErga Formationについての堆積環境と産出化石についての調査と,ナミビアでの原生代後期のOtavi Groupに含まれる氷河堆積物とそれを覆う炭酸塩岩にみられる堆積構造の調査を行った.ロシアでの調査によって,原生代後期のデルタからプロデルタの堆積物の中に多様な多細胞生物の化石が含まれることがわかった.また,これらの化石は,運動の痕跡と思われる生痕をしばしば伴うことを確認することができた.ナミビアでの調査でも,原生代後期の多細胞生物の化石を発見した.ロシアの化石と合わせてその形態を調べたところ,基本的な構造に重要な非対称性が存在することを発見した.左手系,右手系の両タイプが確認され,その量比もほぼ一対一であることが明らかになった.また,非対称性をマーカーとした成長解析によっていくつかの種について成長方向を特定することができた.また,ナミビアでの調査で原生代後期の氷河堆積物に挟まれる縞状鉄鉱層を発見した.氷河堆積物の中にはクライミングリップルなど流れの存在を示す構造が頻繁に現れることを発見し,氷河時代の継続性について検討をはじめている.また,土石流堆積物と氷河堆積物をミクロな堆積構造のマクロな分布パターンから判定する方法の開発を進めている.また,氷河堆積物を覆う炭酸塩岩に見られた垂直構造について,これまでの記載を統一する見解をまとめた.また,垂直構造を含む堆積シーケンスが,世界的に共通して見られることを発見した.
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[Publications] H.Yoshioka, Y.Asahara, B.Tojo, S.Kawakami: "Systematic variations in C, O, and Sr isotopes and elemental concentrations in Neoproterozoic carbonates in Namibia : implications for a glacial to interglacial transition"Precambrian Research. 124. 69-85 (2003)
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[Publications] 東條文治, 大野照文, 川上紳一: "ロシア白海winter coastに分布する原生代ベンド紀のErga Formationとエディアカラ生物群化石"地質学雑誌. 109・11. xxI-xxII (2003)
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[Publications] 東條文治, 斎藤 良, 道林克禎, 川上紳一, 大野照文: "原生代後期の氷河堆積物を覆うキャップカーボネートにみられる垂直構造"月刊地球. 26・3. 145-151 (2004)
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[Publications] 東條文治, 奥田陽介, 川上紳一, 勝田長貴: "ラストフ・キャップカーボネートにみられるカルサイト・ドロマイトサイクル"月刊地球. 26・3. 152-158 (2004)
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[Publications] 東條文治, 斎藤 良, 川上紳一, 大野照文: "エディアカラ生物群にみられるキルト構造の理論形態"月刊地球. 26・3. 177-182 (2004)
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[Publications] 勝田長貴, 高野雅夫, 東條文治, 川上紳一, 熊澤峰夫: "縞々解析法の開発(1):縞状堆積物のしわ伸ばしプログラム-IKダイアグラムの実用化に向けて-"月刊地球. 26・3. 138-144 (2004)