2002 Fiscal Year Annual Research Report
CENP-B boxに依存した新規セントロメア構造形成における分子機構の解析
Project/Area Number |
02J05297
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大関 淳一郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | セントロメア / 染色体 / 人工染色体 / クロマチン / アルファイド |
Research Abstract |
セントロメアは高等真核生物がもつ遺伝情報(染色体)の分配、維持に必須な機能構造である。ヒトにおけるセントロメアは、アルファサテライト(アルフォイド)DNAと呼ばれる高頻度反復配列上に形成されている。CENP-B boxはこのアルフォイドDNA中に約340塩基対に一回の頻度で存在している、CENP-B蛋白質の結合配列である。 このCENP-B boxをもつアルフォィドDNAをヒト培養細胞に導入すると、導入DNAに依存して新規にCENP-A(セントロメア機能に必須なヒストンH3バリアント)などの蛋白質が集合し、セントロメア特異的なクロマチン構造が形成される。今回、研究代表者らは、CENP-B boxに点変異を導入したアルフォイドDNAを作成し、CENP-B蛋白質の結合が失われた場合にはセントロメア構造形成が起こらなくなることを明らかにした。 また、新規セントロメア構造形成機構を分子レベルで解析するためには、DNA分子上へのセントロメア蛋白質の直接的な集合を検出する実験的手法が必要である。そこで、抗CENP-A抗体、抗CENP-B抗体を用いたクロマチン免疫沈降法の開発を行い、感度の高いセントロメアクロマチン構造形成の検出系を構築することに成功した。 さらに、CENP-B蛋白質と相互作用する因子の、酵母two-hybridシステムを用いた探索も行い、新規遺伝子の一部を得た。この遺伝子配列の全体を獲得し、塩基配列を決定した結果、この遺伝子がコードしている蛋白質は、クロマチン構造変換を行う蛋白質に特徴的なアミノ酸領域をもつことがわかった。この蛋白質の機能を解析するため、ウサギおよびマウスに合成ペプチドを免疫し、抗体作成を行った。この免疫によって得られた血清を用いて、この新規遺伝子産物を特異的に認識することの確認、および抗原蛋白質の機能解析を進めている。
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Research Products
(1 results)