2003 Fiscal Year Annual Research Report
Rac1,Cdc42,IQGAP1による細胞極性、細胞運動の制御機構の解析
Project/Area Number |
02J05326
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中川 誠人 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 細胞極性 / Rac1 / Cdc42 / IQGAP1 / CLIP-170 / 細胞運動 |
Research Abstract |
私は前年度の研究において、IQGAP1の新規結合蛋白質としてアフィニティーカラムクロマトグラフィーによりCLIP-170を同定し、低分子量GTP結合蛋白質Rac1/Cdc42の制御下でmicrotubulesをある特定の領域で補足するというメカニズムを発見した。このメカニズムにより外界刺激等により細胞の極性が形成、維持されると考えられた。 今年度、私は細胞の極性形成及び維持のメカニズムをより詳細に解明する目的でIQGAP1の変異体を作製しその機能解析を行った。作製した変異体(IQGAP1-T1050AX2)を細胞に発現させたところ、複数のleading edgeの形成が観察された。それぞれのleading edgeにmicrotubulesが投射されていることが確認できた。またこの変異体(IQGAP1-T1050AX2)はRac1/Cdc42に結合しないことから、細胞内で活性型変異体として機能しているものと考えられた。この変異体により形成される複数のleading edgeへのmicrotubulesの配向やactinメッシュワークの形成に関して変化は見られなかった。以上の結果より、様々な細胞外シグナルに応じRac1/Cdc42の制御下で活性化されたIQGAP1がleading edge部位にCLIP-170を介してmicrotubulesを配向させ、細胞の極性を形成、制御していることが考えられた。また、このシステム以外にも細胞の極性を制御するメカニズムがあると考えられるので、それらを含め総合的に理解することが重要であると考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] J.Noritake, M.Fukata, K.Sato, M.Nakagawa et al.: "Positive Role of IQGAP1,an Effector of Rac1,in Actin-Meshwork Formation at Sites of Cell-Cell Contact"Molecular Biology of the Cell. 15. 1065-1076 (2003)