2002 Fiscal Year Annual Research Report
in planta内生糖濃度操作系を用いたSAMの分裂制御機構の解明
Project/Area Number |
02J05353
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森田 千鶴子 北海道大学, 大学院・理学研究科・特別研究員 DC2
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Keywords | 糖 / 糖飢餓認識機構 / SAMの分裂活性 / 休眠 / 糖高感受性変異体 / 花成 |
Research Abstract |
シロイヌナズナの芽生えにおいて、本葉の展開が起こるとき、自らの内生糖レベルを認識する機構が想定される。すなわち、糖濃度が十分な場合は、そのまま形態形成が進行するのに対し、糖濃度が不足している場合は、茎頂分裂組織(SAM)の分裂活性を低下させ休眠へと導くチェックポイントの存在である。本研究は、糖飢餓が誘導する一時的な細胞分裂停止(休眠)のメカニズムを分子レベルで解明すると共に、植物の糖飢餓認識機構の解明を目的とする。 既に、糖非感受性の変異体や糖高感受性の変異体など、複数の糖応答性が変化した変異体の単離に成功している。これらのうち、糖高感受性の変異体の生理学的解析と原因遺伝子の単離は、植物の糖飢餓認識機構を解明する上で最も有効な解析手段であると考えられる。本年度は、糖高感受性変異体の解析を中心に研究を行った。この糖高感受性変異体は、糖応答以外にも、花成誘導の遅延、花茎伸長の抑制など様々の特徴的な形質を示した。近年、糖を含む栄養素シグナルが、花成を制御する生理的シグナルとして注目されつつある。この研究分野の様々な知見を統合すると、茎葉部における糖のレベルが花成誘導に重要であると考えられている。従って、現在解析を行っている糖高感受性変異体は、SAMの分裂活性を制御する糖飢餓認識機構のみならず、花成における糖の役割を検討する上でも重要な材料である。今後は、この糖高感受性変異体を含め糖応答変異体原因遺伝子の単離を早急に進める方針である。
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Research Products
(1 results)