2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J05372
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長崎 宏 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | TALE / KNOX / Wuschel / interaction |
Research Abstract |
申請者は以前にKNOXホメオドメインタンパク質のOSH15と他のKNOXホメオドメインタンパク質が相互作用することを明らかにしていたが、KNOXホメオドメインタンパク質以外の転写因子とも相互作用し茎頂分裂組織形成に関与する可能性を考え、OSH15およびイネにおけるWuschel遺伝子ホモログ(シロイネナズナでは、茎頂分裂組織の幹細胞維持に必要だと考えられているが、KNOX遺伝子との関係は未解明)と相互作用する遺伝子をTwo-hybrid法により探索することを試みた。OSH15と相互作用する因子は、以前からKNOXタンバク質相互作用が報告されていたBELタンパク質であり、一方、今まで相互作用が報告されていないOsWUSCHELと相互作用するタンパク質は、OsWUSCHEL自身およびOsWUSCHELと類似したホメドメイン構造をもつOsPRSであった。これらの相互作用はBurglin(1998)がKNOXおよびBELタンパク質が含まれるTALE familyで提案したモデル(共通の祖先であるホメオドメインタンパク質が互いにホモ二量体ができた場合、進化の過程でduplicateした遺伝子も互いに特定のパートナーと相互作用する)がWUSCHELおよびそのホモログが形成するfamilyにおいてもあてはまる事が示唆している。さらに、OsWUSCELとOsPRSのホモおよびヘテロ二量体形成に必要なドメインの同定を行った。OsWUCHELのホモ二量体形成はホメオドメインよりもC末端側で相互作用するのに対し、OsWUSCHELとOsPRSのヘテロ二量体形成では、OsWUSのC末端側とOsPRSのホメオドメインであった.詳細には、OsPRSのホメオドメインは典型的なホメオドメインにはない4アミノ酸挿入されている部分があり、その領域が相互作用ドメインとして機能している事が明らかとなった。family内での相互作用でありにもかかわらずOsWUSCHELのホモ二量体形成とOsPRSとのヘテロ二量体形成は相互作用の様式が異なるため、OsWUSCHELはホモ二量体形成時とヘテロ二量体形成時では機能が異なることが考えられた。 今後は、現在進行中のOsWUSCHELおよびOsPRSの発現領域の同定をin situ hybridizationで明らかにし、いつどの組織でヘテロ二量体が形成しうるのかを明らかにしていく予定である。
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