2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J05446
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
磯部 豊 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 立体制御 / ラジカル重合 / ルイス酸 / アクリルアミド / N-イソプロピルアクリルアミド / 希土類トリフラート / イソタクチック特異性重合 / タクチシチー |
Research Abstract |
ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)の水溶液は熱応答性を示すことから、その溶液挙動は興味深く、多くの研究がなされている。通常のラジカル重合では、ほぼアタクチックなPNIPAMが生成するのに対し、最近、我々は、希土類トリフルオロメタンスルホン酸塩(トリフラート)などのルイス酸を触媒量重合系に添加することにより、重合がイソタクチック特異的に進行することを見いだしている。本研究では、更なるNIPAMのラジカル重合の立体制御を目的として、様々な希土類錯体の添加効果を調べるとともに、ルイス酸によるイソタクチック特異性重合の機構の解析を試みた。 様々なイッテルビウム(Yb)錯体をNIPAMのラジカル重合を検討したところ、Yb(NTf_2)_3を用いた重合では、Yb(OTf)_3よりイソタクチシチーの高いポリマーが得られ、一方、Yb(fod)_3はほとんど効果を示さず、ルイス酸の構造により、立体制御の効果は大きく異なった。また、-20℃で0.5mol/LのYb(NTf_2)_3存在下で得られるPNIPAMのメゾ値は最大94%に達した。60℃、メタノール中、Y(OTf)_3存在下での重合を詳しく分析したところ、少量のルイス酸添加でも、重合速度の著しい増加が見られた。また、ルイス酸はAIBNの分解速度にはほとんど影響しなかった。これらのことより、ルイス酸と相互作用することで、モノマーあるいは生長末端が活性化され、重合が加速されたものと推測される。また、得られたポリマーの立体規則性を重合初期と後期で比較したところ、転化率24%の時点で、m=85%のポリマーが得られたのに対し、転化率93%ではm=81%となり、重合後期においては、重合のイソタクチック選択性が若干低下した。 また、シドニー大学のGilbert教授との共同研究により、ルイス酸がNIPAMのラジカル重合の重合速度に及ぼす効果を詳細に調べた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Isobe, Y.Suito, S.Habaue, Y.Okamoto: "Stereocontrol during Free-Radical Polymerization of Methacrylamides in the Presence of Lewis Acids"Journal of Polymer Science Part A : Polymer Chemistry. 41. 1027-1033 (2003)
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[Publications] Y.Okamoto, S.Habaue, Y.Isobe, Y.Suito: "Stereocontrol Using Lewis Acids in Radical Polymerization"Macromolecular Symposia. 195. 75-80 (2003)
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[Publications] Y.Okamoto, S.Habaue, Y.Isobe: "Lewis Acid-Catalyzed Tacticity Control during Radical Polymerization of (Meth)acrylamides"ACS Symposium Series. 854. 59-71 (2003)
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[Publications] K.Morioka, Y.Suito, Y.Isobe, S.Habaue, Y.Okamoto: "Synthesis and Chiral Recognition Ability of Optically Active Poly{N-[(R)-a-methoxycarbonylbenzyl]methacrylamide} with Various Tacticity by Radical Polymerization Using Lewis Acids"Journal of Polymer Science Part A : Polymer Chemistry. 41. 3354-3360 (2003)