2002 Fiscal Year Annual Research Report
適応共鳴理論(ART)を用いたDNAチップからの遺伝子ネットワーク解析
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02J05450
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
冨田 秀太 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | DNAチップ / マイクロアレイ / 発現プロファイル / 発現解析 / クラスタリング |
Research Abstract |
本研究ではまず、クラスタリング手法としてFuzzy ARTの有用牲を示すことを行った。解析対象データとしては米国Stanford大より公表されている、出芽酵母の胞子形成過程における遺伝子発現プロファイル(データ(1))を用いた。胞子形成過程は経験的に連続的な4つのフェーズ(Early, Middle, Middle-Late, Late)に分類されている。そこで、胞子形成過程においてフェーズ特異的に発現が誘導されることが分子生物学的実験結果により報告されている遺伝子に注目し、データ(1)より45遺伝子を抽出した。Fuzzy ARTを用いてこれら45遺伝子をクラスタリングしたところ、発現が誘導されるフェーズに従って分類された。この分類精度は現在汎用されている階層的クラスタリング手法や自己組織化手法と比較しても優れていた。さらに、マイクロアレイにより取得されたデータにはある程度のノイズが含まれる事が多い事が報告されていることを考慮し、上記45遺伝子のデータに、マイクロアレイの実験により考えられるノイズを加え、再度クラスタリングを行った。その結果、Fuzzy ARTを用いた場合のクラスタリングの再現性が最も高かった。以上の結果から、Fuzzy ARTは遺伝子発現プロファイルの解析に有用であることが示された(Bioinformation誌に発表)。 現在、上記の解析結果を用いて、遺伝子の制御関係や柑互作用、ネットワークを解析する検討をはじめており、研究実施計画は順調に進行していると思われる。 また、研究代表者は人工ニューラルネットワーク(ANN)を用いた情報解析の研究にも携わっている。現在、ヒート遺伝子の1塩基多型(SNP)と疾患との関連解析を行っており、ANNを用いてSNP情報から疾患の発症を予測するモデルの構築に成功している(J.B.B.誌に発表)。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shuta Tomida, et al.: "Analysis of expression profile using fuzzy adaptive resonance theory"Bioinformatics. 18・8. 1073-1083 (2002)
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[Publications] Shuta Tomida, et al.: "ANN predictive model for allergic disease using SNPs data"J. Biosci. Bioeng.. 93・5. 470-478 (2002)