2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖モジュール化法に基づく生理活性オリゴ糖の効率的合成研究
Project/Area Number |
02J05452
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐々木 健二 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 糖鎖モジュール / オリゴ糖鎖 / 人工糖鎖高分子 / セレクチン |
Research Abstract |
我々は、これまでに生理活性オリゴ糖鎖の簡便なミミック合成法の開発として、シアリルルイスXを硫酸化ガラクトース(Gal)とα-L-フコース(Fuc)の二つの鍵因子(糖鎖モジュール)に分割(segmentation)して考え、それらをアクリルアミドとの共重合によって高分子上に並べる(regeneration)といった新しい手法「糖鎖モジュール化法」を提案してきた。 L-セレクチンのリガンドとなる6-硫酸化シアリルルイスXに対して、この概念に従って、各糖鎖モジュールを側鎖に有するポリマーライブラリーを有機化学的に合成した。これらのポリマーは特にL-セレクチンに対して強力な阻害活性(IC_<50>=3-10μM)を示した。なかでも、6-硫酸化GlcNAcを側鎖に有する糖鎖高分子が、最も強い阻害活性を示すことを明らかとし、L-セレクチンに対する鍵となるリガンド構造を明確にした。K.Sasaki et al, Angew.Chem.Int.Ed., 2002 上の結果をうけて、6-硫酸化GlcNAcの構造を考察したところ、N-アセチルノイラミン酸との高い構造類似性に気付き、その類似体としての可能性を予想した。そこでGlcNAcを基本骨格とする硫酸化位置異性体として3-,4-硫酸化体を合成し、6-硫酸化Glcとともに、シアリダーゼに対する阻害活性をそれぞれ測定した。その結果、構造特異的に6-硫酸化GlcNAcのみが阻害活性を示すことを見いだした。この結果は、簡単な構造を有する6-硫酸化GlcNAc骨格が、N-アセチルノイラミン酸の類似体になることを示す興味深い結果である。(投稿準備中)
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Sasaki, Y.Nishida, T.Tsurumi, H.Uzawa, H.Kondo, K.Kobayashi: "Facile Assembly of Cell Surface Oligosaccharide Mimics by Copolymerization of Carbohydrate Modules"Angewandte Chemie International Edition. 41. 4463-4467 (2002)