2002 Fiscal Year Annual Research Report
乳腺:細胞増殖・分化と器官形成の制御機構の解明とタンパク質生産への応用
Project/Area Number |
02J05604
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青山 康二 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 乳腺上皮細胞 / COMMA1D細胞 / 乳腺上皮組織幹細胞 / 細胞分化 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
乳腺は、哺乳動物の性成熟過程に伴って発達し、妊娠、分娩を期に最終分化を遂げて形態・機能が変化する。この分化過程を制御するシグナル伝達機構にっいて、多くの研究が培養細胞を用いて行われているが、生体内での詳細な分子機構には不明な点が多い。さらに遺伝子導入動物を用いた解析が必須となってきているが、要する時間、コスト、労力を考慮すると簡便な実験系とは言えない。本研究では、形質転換した培養乳腺上皮細胞を皮下に移植して乳腺を再構築させ、これをin vivoアッセイ系として用いて乳腺細胞の分化、増殖制御機構を解析し、乳腺の器官形成と機能分化の分子機構を解明することを目的とした。 本年度の研究においては、まずレトロウィルス発現系を確立した。具体的には、マーカー遺伝子(GFPあるいはlacZ)を組み込んだレトロウィルス発現ベクターを構築し、Phoenix-Eパッケージング細胞に導入して培養上清からウィルス粒子を回収し、マウス乳腺上皮細胞株COMMA1Dに感染させた後、GFP遺伝子導入細胞の蛍光顕微鏡観察と、lacZ遺伝子導入細胞のX-gal染色で導入遺伝子の発現解析を行った。次に乳児期マウス、乳腺を切除した乳児期マウス、妊娠直後の乳腺を切除したマウスのfat pad中に、COMMA1D細胞、マーカー遺伝子を導入したCOMMA1D細胞、乳腺上皮組織由来初代培養細胞を移植した。被移植マウスに妊娠・泌乳を経験させた後、移植部位を摘出し、RT-PCR法による導入遺伝子の発現解析とカーミン染色によるホールマウント解析を行った。その結果、乳腺を切除した乳児期マウスのfat pad中に乳腺上皮組織由来初代培養細胞を移植した場合に乳腺が再構成された。しかし、COMMA1D細胞では乳腺が再構成されなかったため、今後は乳腺上皮組織由来の初代培養細胞を株化し、移植細胞の生着効率が高い移植方法を確立する。
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