2004 Fiscal Year Annual Research Report
セマフォリン、プレキシン相互作用による神経回路網形成の制御
Project/Area Number |
02J05615
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
篠田 友靖 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 統合失調症 |
Research Abstract |
DISC-1(Disrupted- In- Schizophrenia 1)はスコットランドにおける精神疾患多発家系を対象とした遺伝学的解析より発見された、統合失調症の脆弱性遺伝子である。上記の家系においては高頻度で1番染色体と11番染色体の間で転座を有しており、これに伴ってDISC-1遺伝子の切断が生じる。翻訳タンパクであるDISC1の機能については知見も多くは得られておらず、統合失調症の病態との関連も不明であった。 本研究では新規のDISC1の相互作用分子として14-3-3εおよびGrb2を同定した。神経細胞において14-3-3εはNUDEL/LIS1タンパク複合体の神経軸索への選択的輸送に必須であると考えられている。DISC1は14-3-3ε/NUDEL/LIS1とタンパク複合体を形成することが明らかになった。また培養海馬神経細胞においてDISC1は14-3-3ε、LIS1およびGrb2と軸索先端部において共局在することが示された。さらにDISC1が微小管モータータンパク質として知られているキネシン1と複合形成することを見いだした。以上の結果から、DISC1は14-3-3ε/NUDEL/LIS1複合体もしくはGrb2の輸送におけるカーゴタンパクとして機能している可能性が示唆された。
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