2003 Fiscal Year Annual Research Report
液胞膜の輸送体タンパク質の特定と果実液胞への物質蓄積での役割
Project/Area Number |
02J05633
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
気多 澄江 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | バラ科果樹 / セイヨウナシ / 糖輸送体 / ミオイノシトール / 液胞 |
Research Abstract |
バラ科果樹から液胞膜に局在する糖アルコール輸送体を単離するために、アイスプラントの液胞膜ミオイノシトール輸送体と、それと相同性の高いシロイヌナズナおよびトマトで報告のあるクローンのアミノ酸配列を元にdegenerate primerを設計した。セイヨウナシの果実および葉のtotal RNAを鋳型としてRT-PCRを行い、予想される約380bpのバンドが得られた。このPCR産物をベクターにサブクローニングし塩基配列を決定したところ、果実から2種類(PyITR-part1,PyITR-part2)、葉から1種類(PyITR-part1)のクローンが得られた。PyITR-part1およびPyITR-part2の相同性は塩基レベルで85.5%であり、いずれも糖輸送体の共通配列が保存されていた。またアイスプラント、シロイヌナズナおよびトマトのクローンとPyITR-part1の相同性はアミノ酸レベルでそれぞれ68.7%、77.3%および80.4%と、高い相同性を示した。 全長cDNAを単離するために、得られた部分長クローンをプローブとして、セイヨウナシ成熟果cDNAライブラリ約11万pfuおよびリンゴ成熟葉cDNAライブラリ約35万pfuをスクリーニングしたが、いずれからも陽性クローンは得られなかった。そこで全長塩基配列を決定するために、RACE法により、単離した部分長クローンの5',3'側の配列決定を行った。 またセイヨウナシにおけるmRNAの器官別発現量を比較するために、得られた部分長クローンをプローブとしてRT-PCRサザンブロット解析を行ったところ、果実より葉で高い発現がみられた。
|
Research Products
(1 results)