2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J05659
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上田 祐樹 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 熱機関 / 熱音響現象 |
Research Abstract |
熱音響エンジンは中空の管と細管からできており,可動部を持たない.中空の管内に細管を置き,その細管に温度勾配をつける.温度勾配の大きさがある敷居値を超えると音波が自励発振する.その結果,熱から仕事へのエネルギー変換が行われ,中空の管と細管からできた装置は熱機関(エンジン)として作動する.このときのエネルギー変換は自励発振した音波が細管内で固体壁と熱交換することで行われる.つまり,自動車のエンジンの可動部(ピストンやバルブ)の役割を,熱音響エンジンでは音波が担っているのである.しかも,熱音響エンジンの効率は自動車エンジンのそれに匹敵することが分かっている.ここで我々は以下のような疑問を持った.「自動車のエンジンでは,外部から可動部を調整することで効率的なエネルギー変換が実行されているのに対して,熱音響エンジンではどのように調節され効率的なエネルギー変換を実行しているのだろうか?」今年度は,固体壁と音波の熱交換のしやすさをパラメーターとして,熱音響エンジン内に自励発振する音波の特徴を調べた.その結果,熱音響エンジンは与えられた熱交換のしやすさに応じて,音波を変化させていることがわかった.この音波の変化はエネルギー変換を効果的に行うのに適切であることも分かった.この研究成果についてはWorld Conference on Ultrasonicにおいて発表した.また,可動部を持たないという熱音響エンジンの特長を生かした応用装置の開発も昨年度に引き続き行った.それについては,Journal of Acoustical Society of Americaに掲載された.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Y.Ueda, T.Biwa, T.Yazaki, U.Mizutani: "Experimental Studies of a thermoacoustic Stirling prime mover and its application to a cooler"Journal of Acoustical Society of America. 115. 1134 (2004)