2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J05661
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小島 宏章 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 建物と地盤との動的相互作用 / 強震観測 / 建設工事 / 階数依存性 / 固有振動数 / 現場内LAN / データベース / インターネット |
Research Abstract |
地盤で得られた強震観測記録に関しては,データの公開と共有が飛躍的に進んできており,それによって地盤構造の解明などが進んできている。それに対して,建物で得られた強震観測記録は,様々な要因から,データの公開と共有がほとんど進んでいないのが現状である。しかしながら,地震時の被害を推定する上で,実測記録に基づく検討は必要不可欠である。そこで,名古屋大学東山キャンパス内で行っている複数の中低層建物で行っている強震観測に関して,強震観測記録を有効に活用するために必要な建物データ,地盤データ,地震記録,観測機器データを系統的なデータベースにまとめ上げ,インターネットを介して公開した。今回は,どの様なデータが必要とされているか,また,どこまでのデータ公開が可能なのかを,他の機関・民間の所有する建物においても検討できるようにできる限り多くのデータを扱った。これを参考に,今後,他の機関・民間の所有する建物における建物の強震観測記録の公開を共有化が進むことを期待する。 建物の地震時挙動を把握することの重要性は従来より指摘されているが,建物の強震観測事例が不足しているため,実証的な解明が十分ではない。これを解決するために,観測プログラムを計画的に立案・実施すれば効果的な強震観測を行うことが可能であることを示す一時例を行った。具体的には,建設中の建物を強震観測の対象とした。これは同一の地盤・基礎条件の下で,建物階数と二次部材のみが変化する記録が得られる。この方法により,1棟でも複数の建物の強震観測に匹敵する結果が得られる。得られたデータからは,建設段階の進行に伴う固有振動数の階数依存性が認められた。これにより建設中の建物を対象とした強震観測の有用性が示せた。これらのデータは建物と地盤との動的相互作用の検討に非常に有用であるため,今後,さらに検討を行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小島宏章, 福和伸夫, 飛田潤: "建設中の高層建物を対象とした強震観測事例"日本建築学会学術講演梗概集. B-2. 951-952 (2003)
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[Publications] 飛田潤, 森裕史, 福和伸夫, 小島宏章: "災害図上訓練・地域防災マップ作成システム「安震DIG」"日本建築学会学術講演梗概集. B-2. 115-116 (2003)
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[Publications] 小島宏章, 福和伸夫, 飛田潤, 中野優: "建物強震観測DB公開用webシステムの構築"日本建築学会技術報告集. 第17号. 553-558 (2003)