2002 Fiscal Year Annual Research Report
波長可変超短パルス光の広帯域化とその応用に関する研究
Project/Area Number |
02J05664
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀 喬 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超短パルスレーザ / 光ファイバ / スーパーコンティニューム / ソノグラム / 光ソリトン |
Research Abstract |
これまでに我々は、パルス幅が100fs程度の超短パルスレーザと光ファイバを組み合わせた新しい波長可変超短パルス光源を開発し、その電子的波長制御に成功してきた。この光源では、波長1.3〜2.0μmの領域において波長可変な超短パルス光を生成することができ、また波長1.55μmを中心としてスペクトル幅が約1μmの広帯域に広がったスーパーコンティニューム(SC)光の生成が可能である。しかし、波長1μm以下或いは、2μm以上での波長可変は実現できておらず、応用面からもその広帯域化が望まれている。 本研究では、これら光ファイバを用いた新しい光源の広帯域化とその応用に取り組んでいる。本年度では、光源の広帯域化のための準備としてこれまで開発を進めてきた超短光パルス光の評価システムの構築、及びこのシステムを用いたSC光の生成メカニズムの解析を行い、以下のような成果を得た。 1.光パルスのスペクトル-時間分布(ソノグラム)を全電子制御で測定できるシステムを構築し、その測定から光の電場の再構築を実現した。本システムでは、機械的な可動操作は必要なく、広い時間領域に渡って分布するパルスに対しても高速な測定が可能である。時間軸のスキャンレンジ及び分解能も電気的に任意に可変でき、また光学的なアライメントなしで波長1.1〜2.1μmに渡る広帯域測定を実現した。 2.上記のシステムと数値解析法を用いてSC光の生成メカニズムの解析を行った。SC光の生成過程には2段階のステップがあり、伝搬距離の初期過程において大きなスペクトル広がりが得られ、その後の段階において長波長領域において緩やかな波長シフトが生じることが分かった。スペクトル広がりは、ファイバの3次の分散値によって大きく依存し、その絶対値が小さいほど広帯域化が期待できることが分かった。
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