2004 Fiscal Year Annual Research Report
高温・超高温変成岩と花崗岩質マグマの成因関係の研究-ホウ素・フッ素鉱物に注目して
Project/Area Number |
02J05864
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河上 哲生 岡山大学, 教育学部, 特別研究員(PD) (70415777)
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Keywords | 部分溶融 / 微量元素 / 南極 / 変形構造 / 超高温変成岩 / 硫化鉱物 / ミグマタイト / 温度圧力履歴 |
Research Abstract |
1.東南極リュッツォ・ホルム湾岸露岩地域の高温・超高温変成岩は部分溶融を経験していたと考えられるが、その時の硫化物メルトおよび硫化鉱物の挙動を解明するために、同岩石中の硫化鉱物・酸化鉱物の記載的研究をオーストラリア国立大でDavid Ellis教授と行った。その結果、岩石のマトリクスに産する硫化鉱物と他鉱物の包有物として産する硫化鉱物は、種類が異なり、ピーク時安定であった鉱物に包有される硫化鉱物は、ピーク時の組成を反映して、非常に広い固溶体組成を示すことがわかった。一方マトリクスの硫化鉱物は後退変成期の流体活動の影響で、ピーク情報を完全に失っていることが明らかとなった。すなわち、硫化鉱物種の産状のシステマティクスは岩体の経た温度圧力履歴(等温減圧履歴VS等圧冷却履歴)と、経験した流体活動をよく反映していることがわかった。硫化鉱物はこれまで、最高変成時の情報を保持してはいないと考えられてきたが、包有物を観察することで、最高変成時の情報を読みとることができるのである。電気石の分解している温度領域では、硫化鉱物に注目することによって、岩石の歴史のうち、これまで読みとることのできなかった新たな側面(酸素・硫黄雰囲気や硫化物メルトの挙動など)を読みとることができる。この成果を国際誌に投稿する予定である。 2.東南極リュッツォ・ホルム湾岸露岩地域の変形構造解析、年代決定、温度圧力履歴の解析を行った論文を計5編、国内の英語誌に発表した。 3.電気石とホウ素の挙動に注目した領家変成帯(青山高原地域、柳井地域、駒ヶ根地域)での部分溶融現象とメルトの移動集積機構についての総括的論文を国際誌に発表した。その中で、メルトの鉛直方向の移動経路は、ブーダン化の進行に伴うブーダンネックの結合によって形成される可能性が高いことを論じた。
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