2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J05920
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石賀 康博 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フラジェリン / シロイヌナズナ / DNAアレイ解析 / べん毛 / 糖鎖修飾 |
Research Abstract |
最近、当研究室においてpv.tabaciのべん毛構成タンパク質であるフラジェリンが、植物によって認識される主要因子であることを見い出している。また、本菌のフラジェリンは糖鎖修飾を受けており、糖鎖が認識に関連していることが示唆されている。そこで本年は、pv.tabaci野生株(WT)、pv.tabaciべん毛変異株(ΔfliC)、及びpv.tabaciべん毛糖鎖変異株(Δorf1)をシロイヌナズナに接種するとともに、本菌より精製されたシラジェリンタンパク質をシロイヌナズナ植物体あるいは培養細胞に処理し、植物の応答を解析した。 シロイヌナズナに野生株を接種しても菌の増殖・病徴は観察されないが、ΔfliC,Δorf1を接種した場合には、野生株接種に比べHR細胞死及び、活性酸素の生成は有意に低下し、菌の増殖・病徴の進展が観察された。これらの結果から、べん毛やべん毛糖鎖の欠損株は、シロイヌナズナの防御応答を顕著に誘導しないため増殖可能になったと推察した。更に、野生株、ΔfliC、Δorf17をシロイヌナズナに接種して24時間後のDNAアレイ解析から、べん毛やべん毛糖鎖の欠損によりシロイヌナズナの遺伝子発現プロファイルが変動していることを確認した。一方、精製フラジェリンを用いた解析から、フラジェリンはシロイヌナズナにHR細胞死及び、活性酸素の生成を誘導することを見い出した。更に、シロイヌナズナ培養細胞にフラジェリンを処理して1時間後のDNAアレイ解析から、883個の遺伝子の発現が2倍以上誘導され、その中には60個の推定転写因子が含まれていることが明らかとなった。現在、それら転写因子遺伝子の詳細な発現パターンの解析をおこなっており、今後は、遺伝子変異株などを用いて遺伝子産物の機能解析を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ishiga Y., Inagaki Y., Toyoda K., Shiraishi T., Yamada T., Ichinose Y.: "Expression of allene oxide synthase and allene oxide cyclase in the interactions between pea and fungal pathogens."Journal of General Plant Pathology. 69. 351-357 (2003)
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[Publications] Mathui H., Nakamura G., Ishiga Y., Ichinose Y.et al.: "Structure and expression of 12-oxophytodienoate reductase (subgroup1) genes in pea, and characterization of the their oxidoreductase activity of their recombinant products."Molecular Genetics & Genomics. 271. 1-10 (2004)