2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J05920
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石賀 康博 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フラジェリン / HR / flg22 / FLS2 |
Research Abstract |
Pseudomonas syringae pv.tabaciのべん毛繊維を構成するタンパク質フラジェリンは、非宿主植物に対して細胞死を伴う防御応答を誘導するMicrobe-Associated Molecular Patterns(MAMPs)である。また、動物病原細菌P.aeruginosaのフラジェリンのN末端近傍に保存される22アミノ酸からなるflg22は、双子葉植物に細胞死を伴わない防御応答を誘導するMAMPsの一つとして機能し、シロイヌナズナのエコタイプColumbia(Col-O)ではflg22に対する受容体遺伝子であるFLS2が単離されている.更に、脊椎動物には、リポ多糖(Lipopolysaccharide, LPS)及びゲノムDNAをMAMPsとして認識する機構が存在する。そこで、本研究では細菌のMAMPsによって誘導されるシロイヌナズナCol-Oの防御応答を解析した.フラジェリンとflg22に対するシロイヌナズナの防御応答を比較解析すると、フラジェリンはHR細胞死や遺伝子発現を含む防御応答を誘導したが、flg22は細胞死を誘導せず、フラジェリンに比べると僅かな防御応答しか誘導しなかった.一方、FLS2を保持しないエコタイプWassilewskija(Ws-O)に対してはフラジェリン処理によってのみ防御応答が誘導された。この結果はFLS2が存在しないWs-OもフラジェリンをMAMPsとして認識し応答することを示しており、FLS2以外の受容体を介したシグナル伝達経路が存在することを示唆している.更に、LPS及びゲノムDNAによっても防御応答が誘導され、植物においてもLPS及びゲノムDNAの受容体及びシグナル伝達機構が存在することが示唆された.
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Research Products
(1 results)