2002 Fiscal Year Annual Research Report
1970年以降のドイツにおける都市住宅地域の更新過程に関する比較研究
Project/Area Number |
02J06000
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
伊藤 徹哉 筑波大学, 地球科学系, 特別研究員(PD)
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Keywords | ドイツ / ニュルンベルク / ミュンヘン / 都市住宅地域 / 更新課程 / 社会的変容 / 形態的変容 / GIS |
Research Abstract |
本研究は,ドイツ・ニュルンベルクとミュンヘンを事例として,都市住宅地域の更新過程を,改築・改修等の形態的変化,ならびに人口構造変化等の社会的変容の観点から解明するとともに,都市規模の異なる2都市を比較し,その空間的特性を明らかにすることを目的とする.研究においては第一に,個々の都市単位規模のメソスケールにおいて,人口構造等の社会的特性ならびに建築物の形態的特性に関する統計資料を多変量解析並びにGIS(地理情報システム)を用いて分析し,更新過程の地域的な差異を分析する.第二に,事例地区のミクロスケールにおける社会的・形態的変容を土地利用調査ならびにアンケート調査に基づいて明らかにする. 平成14年度において,上記・都市規模での分析を進めるべく,ミュンヘン大学・地理学研究科を研究拠点として,ミュンヘン市における住民属性および住宅特性に関する非集計(非デジタル)統計資料をバイエルン州統計局,ミュンヘン市統計局,同市都市計画局において収集し,それらのデータをパソコンへ入力した.同時に,上記研究科所有の電子地図データをGISソフトウエアによって修正・加工し,複数年次間の比較を可能とした. これまでの分析により,次のような知見を得ることが出来た.1.住宅地域の変容を住宅供給の側面から考察した場合,ミュンヘン市における第2次世界大戦後に住宅不足が深刻であったものの,都市中心部4〜5km圏で進められた公的住宅(社会化住宅)を中心にした大量建築・供給により1970年代前半までに緩和された.2.1970年代半ば以降,国・州・市による助成制度が整備されるに伴って,既存住宅の修繕・改修が市内全域で実施され,特に都市中心部周辺の老朽化住宅に対する改修が進展した.3.公的事業である都市更新事業も実施されているものの,高地価に基づく高事業費を反映して現在まで6事業と少数にとどまっており,一部住宅地域の更新を促したのみである.
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Research Products
(1 results)