2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J06057
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤野 貴康 筑波大学, 機能工学系, 特別研究員(PD)
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Keywords | MHD発電機 / 非平衡プラズマ / 高周波電磁界 |
Research Abstract |
高周波電磁界(RF)印加による非平衡ディスク形MHD発電機の発電性能の向上をより広い作動条件の下で検討するための第一段階として,非平衡プラズマ生成・消滅過程が考慮されたRF-MHD解析コードを開発した。次に,その解析コードを用いて,熱入力100MW級非平衡ディスク形MHD発電機において高周波電磁界印加が発電性能向上に有用であるかどうかを広い作動条件の下で検討した。その結果,熱入力100MWと大型発電機の場合でも,これまでに報告されている数MW級発電機を対象とした場合と同様に,高周波電磁界を印加することで発電性能が向上しえることを確認した。さらに,自励的ジュール加熱量の少ない低シード率(アルカリ金属数密度/希ガス数密度)では,高周波電磁界印加がプラズマ生成に寄与し,自励的ジュール加熱量は多いもののシード弱電離に起因した電離不安定性が発生する高シード率条件下では,高周波電磁界印加がプラズマの安定化に寄与することも確認された。なお十分な研究成果を得るために,本解析は高性能ワークステーション及びスーパーコンピュータを用いて行われた。また,開発したRF-MHD解析コードを応用し,MHD技術による宇宙往還機まわり熱・化学非平衡流れの制御に関する数値的検討を今年度からはじめた。現在,申請者はこれら二つの研究成果を学術雑誌へ投稿するための準備を行っている。 高周波電磁界印加の有用性に関する実験的検討(申請者出身大学院・東京工業大学との共同研究)においては,アルゴンに比べ流速は高いものの発電に適したプラズマが発電入口から得られにくいと考えられているヘリウムを作動気体に用い,プラズマ生成・維持が可能となる作動条件の範囲を高周波電磁界を印加することで広げることが可能であるかどうかを現在調べている。
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