2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現制御における転写因子GATA1ネットワークの解明
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02J06260
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西川 恵三 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / GATA1 / 二量体 / pbr / 造血 / Nrf2 |
Research Abstract |
本年度の研究によって、以下の諸点を明らかにした。 1.ノックダウン法を用いたpbrの機能解析:ゼブラフィッシュ初期胚へアンチセンスモルフォリノオリゴを注入し、pbrのノックダウン胚(pbrモルファント)の表現型を解析した結果、低色素性の血球産生による貧血が観察された。pbrモルファントにおいて、ヘモグロビン合成に関わる遺伝子群b-globin、alas-e、aladの発現をin situ hybridization法を用いて解析した結果、野生型との間に有意な差は観察されなかった。 2.GATA1の新規標的遺伝子pbrの発現部位の同定:ゼブラフィッシュのgata1変異胚と野生胚を用いたサブトラクション法によりGATA1の標的遺伝子を探索した結果、pbrを単離した。同定されたGATA1の新規標的遺伝子pbrの発現をin situ hybridization法を用いて解析した。盤割期、胞胚期では、細胞全体に発現していた。原腸胚期、尾芽期では低下し、体節期では造血部位および前腎管で発現が観察された。この造血部位での発現は、gata1変異胚で大きく低下したが、前腎管での発現に変化は見られないことが明らかとなった。 3.GATA1と相互作用する因子の単離:GATA1と協調的に機能する転写因子を明らかにするために、生化学的手法を用いた相互作用因子の精製・同定を行った。予備的実験として、転写因子Nrf2にFLAG及びHis標識を行った組み換えタンパクを作製し、HeLa細胞の核抽出液を用いて、Nrf2の相互作用因子の精製を行った。その結果、約80kDa及び400kDaの相互作用因子の精製・同定に成功した。
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