2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト老化モデル細胞を用いたmtDNA突然変異と呼吸機能低下との因果関係の解明
Project/Area Number |
02J06286
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小野 朋子 筑波大学, 生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ミトコンドリア / ミトコンドリアDNA(mtDNA) / ミトコンドリア間相互作用 / RNA interference(RNAi) / 呼吸欠損 / ミトコンドリア融合 / ミトコンドリア融合因子Mfn / ハイブリッド |
Research Abstract |
ミトコンドリア間相互作用の本質は、ミトコンドリア同志が融合した結果行われる物質交換であると考えられるが、その詳細は明らかにされていない。 そこで、ミトコンドリア間相互作用の分子メカニズム及び生物学的意義を解明する為に、異なる突然変異型ミトコンドリアDNA(mtDNA)を持つ二種の呼吸欠損ミトコンドリアを同一細胞内に共存させハイブリッド細胞を作製し、RNA interference(RNAi, RNA干渉)法を用いてミトコンドリア融合因子Mfnの発現をノックダウンした際のハイブリッド細胞におけるミトコンドリア呼吸機能を調べた。 異なる突然変異型mtDNAを持つ二種の呼吸欠損細胞(A3243G細胞、A4269G細胞)を融合して作製したハイブリッド細胞が正常なミトコンドリア呼吸機能を回復する為には10-14日必要である事が報告されている。RNAiによるミトコンドリア融合を阻害がミトコンドリア間相互作用をも阻害するならば、ミトコンドリア融合を阻害する事によってハイブリッド細胞の呼吸機能回複までの時間が遅延する事が予想される。 実際に、細胞融合後のハイブリッド細胞のMfnの発現をRNAi法によってノックダウン、つまり、ミトコンドリア融合を阻害し、細胞融合後3日、7日、10日、14日後に呼吸欠損細胞は生育できない貧栄養培地に替えて生育してきたコロニー数を、ノックダウンしなかったハイブリッド細胞のものと比較した。その結果、Mfnをノックダウンしたハイブリッド細胞とノックダウンしなかったハイブリッド細胞両方ともコロニー数が少なく、両者の間で生育してきたコロニー数の比較ができなかった。 A3243G細胞とA4269G細胞のハイブリッド細胞のコロニー数が少なかった理由は、トランスフェクション操作による細胞のダメージであると考えられる。そこで、細胞に与えるダメージを軽減するためのトランスフェクション条件を設定し、引き続き解析を行っている。
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Research Products
(1 results)