2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J06402
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
梅林 志浩 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 遺伝子導入 / パルス波レーザー光 / マイクロビーズ / Drug Delivery System (DDS) / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
遺伝子治療を行う上で最も重要な基本技術は遺伝子の導入法である.治療用遺伝子を細胞内へ安全かつ効率的に導入するためには,既存の導入技術の改良と同時に従来技術の欠点を補う新規の遺伝子導入技術の開発が必要になる.本モデルでは,マイクロビーズを付着させた細胞にパルス波レーザー光を照射することで細胞膜の透過性を高め,外来遺伝子を細胞内へ導入する.本研究では,in vitroの遺伝子導入および遺伝子発現効率の評価を行った.また,レーザー光照射時の応力波発生の有無を検証した. 1.遺伝子導入効率の評価(In vitro) Green Fluorescent Protein (GFP)をコードするプラスミドDNA(pEGFP-F)をパルス波レーザー光照射後の細胞(HeLa, Cos-7)へ導入後,蛍光顕微鏡およびフローサイトメーターによりGFP発現細胞を検出した.この結果,細胞にポリスチレン微小球(PSM)を付着させた場合ではGFP発現は見られなかった.一方,ヒドロキシアパタイト粒子(HAP)を付着させた場合ではControlの約16倍の発現率を得られた.これは,HAP表面のプラスチャージが遺伝子の細胞内導入に何らかの補助的な役割を果たしているためではないかと考えられた(PSMの表面はマイナスチャージ). 2.パルス波レーザー光照射時に発生する応力波の測定 マイクロビーズとレーザーを利用する本モデルでは,ビーズへのレーザー光照射により発生する熱および応力波が細胞膜の一部を損傷し,そこから細胞外分子を細胞内へ導入できると考えられる.本実験ではPVDFニードル型ハイドロフェンおよびAEセンサーを用いて,レーザー光照射時の応力波を測定した.直径1・mのPSMを生理食塩水に懸濁しレーザー光を照射したところ,約1MPaの応力波が検出された.この結果より,細胞膜表面のPSMから発生する応力波が膜透過性を高めることが明らかになった.
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Research Products
(1 results)